藤倉ゴム工業㈱は7月4日、12年3月期決算並びに今期業績見通し、並びに会社の現況についての説明会を開催した。 会場は同社会議室で行われ、中光好取締役社長、神山幸一常務取締役管理本部長らが出席した。
説明会開始前に6月28日に開催した株主総会で放映したビデオを上映。その後、プロジェクターを使用して中社長が原発事故から学んだもの、今後の小高工場とその機能、組織および人事、133期と134期についての説明をした。
原発から学んだもの
昨年の被災を受けた小高工場が多大な影響を受けた経験をもとにリスク対応の強化に着手していく。また客先納期管理をすることで、インプットからアウトプットまでの工程管理体制を構築し、生産管理システムを高度化していく。具体的には工業用品を対象に生産から在庫、納期までを一括管理するシステムを導入する。年内をまでに新システムへの移行を完了させることを目指していく。 今後の小高工場のその機能について
小高工場は現在の状況では断念せざるおえない状況で、代替拠点として取得した埼玉県加須市の加須工場がゴムの練からプレス加工を今年4月から生産を開始している。またカーボンシャフトは福島県南相馬市に原町工場が生産を行っていく。これにより、同社は生産面が通常の事業活動ができる体制環境が整ったことになる。
組織および人事同社は人や組織の偏りを軽減し、活力ある組織編成をするために、さらなる本部制の定着を推進し、今年の4月から開始しているトップマネイジメントを行う人材の移動も進めている。このことが組織の活性化の効果を発揮すると見込んでいる。
133期と134期の課題
133期は海外拠点や㈱キャラバンの連結子会社の好成績に支えられ、連結ベースで売上高は昨年度同等だったが、営業利益は前年度割れになった。
134期については売上高が前期比2・5%増の270億円、営業利益が同135・8%増の7億5000万円、経常利益が同222・6%増の7億円、当期純利益が同693・7%増の5億円を見込んでいる。
また134期の施策について、加須工場の立ち上げと量産体制の確立し、5月19日に竣工式を行った中国の生産子会社の安吉藤倉をスムーズな稼働と高品質な製品の量産化をしていく。同社は今回の生産子会社を含めると中国で2ヵ所目の工場となり、同子会社は産業資材製品の一部を製造する。またホーチミン駐在事務所の円滑な活動を行い、Fujikura Composites Korea Inc.の立ち上げと活動も行っていく。このことにより全製品の販売促進と市場調査を徹底化していく。
同社は134期は極めて重要な年と捉え、各部門の利益の確保、国内と海外生産拠点とのバランス、海外生産拠点も不良低減、品質保証体系構築、コンプライアンスおよび内部統制整備を行うことにより、事業体制の完全復旧を背景に収益基盤の拡充を目指して取り組んでいく。
2012年07月17日