ダウ・ケミカルは13日、同社(アンドリュー・リパリス会長兼CEO)が、中国の太陽光発電大手トリナソーラーとの協力に向け、グローバルな技術提携に関する覚書を上海のダウ・センターで締結したと発表した。両社は長期的かつ包括的な技術提携、技術リソースの一元化、緊密な協働を通じて製品の技術革新を進めていく方針。
両社は、太陽光発電におけるトリナソーラーの技術力、マーケット情報、生産施設と、ダウの技術基盤、商品化実績、最先端材料の開発技術、グローバルな事業展開とを組み合わせることにより、太陽光発電製品の開発プログラムと太陽光発電技術の研究プログラム分野で包括的に協力していく。 同提携により、トリナソーラーの市場競争力が強化され、ダウの事業構成が拡充される見込み。また、研究成果を生産に結び付けることでより優れたコスト効果、より高い出力効率、より長い耐久性を備えた太陽光発電製品の開発が加速することが期待される。
トリナソーラーは太陽電池生産能力では世界第3位、太陽電池生産量では第4位(2011年現在)。ダウは「AMBERLYST」触媒、ダウサム」熱媒体液、ポリグリコールCF液および「ENLIGHT」DC‐8300冷媒、「ENLIGHT」ポリオレフィン封止フィルム、「ADCOTE」および「MOR‐FREE」ラミネート接着剤など、フィルム、樹脂、接着剤、電子材料を組み合わせた高機能基材を太陽光発電業界に提供している。
ダウは太陽電池の効率改善により、総合システムコストの削減をもたらす製品と生産能力に集中して投資を行ってきた。同社は、太陽エネルギーは現在利用されている代替エネルギーの中枢のひとつとして、引き続きダウの技術革新の推進力になるとしている。