ゴム連合 「高齢者再雇用制度見直し」

2012年07月17日

ゴムタイムス社

 労使双方で意見交換 各単組で年内に要求集約

 ゴム連合(瀬尾進中央執行委員長)は7月2日、東京都荒川区のホテルランングウッドで第46回ゴム産業労使懇談会を開催し、ゴム連合が策定した「高齢者再雇用指針」を基に労使双方が活発な意見交換を行った。2013年4月の60歳定年退職者の無収入期間への対応は待ったなしであり、年末までに各単組での労使協議を経て要求内容を立案する。

 少子高齢化の進む日本経済にとって高齢者と若年者がバランスよく活躍できる仕組みづくりは不可欠であり、2013年4月からは60歳定年退職期と公的年金開始時期との間に空白が生じることで無収入期間が発生する。この2013年問題を目前に控え、班別意見交換会では①ゴム連合再雇用制度指針②希望者全員の65歳までの雇用確保③無年金における現行賃金制度見直しーなどにおける産別指針と高齢法改正後の課題などについて活発な意見交換が行われ、各労使で課題の認識、共有化を図った。
 ゴム連合では、このほど閣議決定され今国会に提出されている高齢者法改正案を基に、ゴム連合傘下のほとんどの企業が現在、「継続雇用制度」で運用されている実態であることから、「再雇用要件」「働き方」「賃金」などを内容とする「ゴム連合再雇用制度指針」を策定し、先の中央委員会で確認を得た。
 今後は各企業単組において各企業の実情を踏まえた話し合いが進めらるが、産別指針を基に各単組において実態に則して主体的に要求内容を立案。労使協議を経て、年内にも労使協定を締結し、年末には組合員への制度説明を行うスケジュールを立ている。
 労使懇談会は山本昭二ゴム連合書記長の司会で開会。労働側を代表して瀬尾進中央執行委員長が「2013年4月以降は,60歳定年退職期と公的年金受給開始時期との間に空白が生じる、13年問題が目前に控えており、高年齢者雇用指針を基に、労働時間、賃金、給与などについて、産別の中で率直な意見交換を行っていただきたい」とあいさつ。引き続き、メーカーを代表して三野哲治日本ゴム工業会副会長(住友ゴム工業㈱代表取締役会長)が「円高、企業の海外進出が加速する中、急速に進む少子高齢化への対応は労使にとって喫緊の課題である。高齢者の生活の安定を図ることは大変重要なこと。若年者の失業率も高く、安心して働け、企業体質を強固に支える環境が必要となる。ゴム産業から新しい指針が導き出されれば幸いです」と述べた。この後、藤田行哉中央執行委員が「ゴム連合再雇用制度指針」における具体的な制度設計を説明。60歳以降の雇用確保への取り組みは、多くの組合員の将来に関わる課題であり、労働組合としてはこれまで以上に活動ウエイトが高まると結んだ。

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