ダウ・ケミカル日本㈱は6月15日付で社長に就任したピーター・ジェニングス氏の社長就任後初の記者会見を19日、東京都内の帝国ホテルで開き、ダウの日本市場における事業戦略を明らかにした。
ピーター社長は「2011年はダウの変革戦略が順調に前進し、ダウ全体の売上高は2桁の成長率を達成して、過去最高を更新する600億㌦に上った。ダウ日本も同様にローム・アンド・ハースの統合完了後、ダウ日本の事業規模は2倍に拡大し、2011年は2桁成長の20億㌦を達成した。
ダウ日本の事業の90%強は機能性製品及び特殊化学品が占めており、ローム・アンド・ハースの統合を通じて、ダウ日本はすでに、ダウが達成しようとしたビジネス・モデルへと変革を遂げている」と日本市場の目覚ましい成長を強調した。
その上で、ダウ日本における成長の多くは、旭化成、住友化学、ニッタとの合弁事業の成功を通じて達成されたものであるとし、「最近の三井物産や宇部興産との合弁の例にみられるように、ダウ日本は、常に日本のパートナーと海外のダウとの重要な橋渡し役を果たしてきた。今後も引き続きこうした役割を通じて、日本企業との戦略的提携を進めていく計画である」と述べた。
また、今後の事業戦略については「新しいダウ/新しいアジア構想に沿って新たな取り組みを開始した。アジア太平洋地区全従業員を対象とするこのプログラムの基本的な中心課題は、成長への機会追求。アジア太平洋地区のダウは、市場主導型への移行を先導しているが、成長の余地はまだあり、アジア太平洋地区では2015年までに150億㌦の売上高を達成することを目標にしており、目標達成のためにもダウは、戦略的に最も重要な顧客とともに成長していく必要がある」と語った。
最後に日本での成長継続に欠かせないのは人材育成とし、「日本の優秀な人材を、アジアパシフィツク、世界中で活用し、ダウ日本の後継者を育成していくことで、日本人の社長誕生を願っている」と抱負を述べた。