BASFの日本法人であるBASFジャパン株式会社(ヨルグ‐クリスチャン シュテック代表取締役社長)は19日、社会貢献活動の一環として東京近郊の子どもたちおよび東日本大震災の被災地を支援すると発表した。
UNESCO(ユネスコ、国連教育科学文化機関)との共同プロジェクトなど、子どもの教育につながる活動を通して支援を行う方針。
宮城県気仙沼市では、同社とUNESCOが「心のケア」と「防災教育」をテーマに共同で実施する「こころに笑顔」プロジェクトを開始した。同プロジェクトでは、被災地支援のために全世界の同社社員から寄せられた義援金100万ユーロがBASFソーシャル・ファンデーションを通じて活用される。この活動の一環として同社は公益社団法人日本ユネスコ協会連盟による活動を支援している。義援金はその他、地域住民が経験を共有し学ぶことができるオープンスペースの構築など、UNESCOパリ本部が陸前高田市で実施する支援活動にも充当される。
また、福島県会津若松市では、復興に向けて地元の地域振興芸術委員会が主催する「オペラ白虎」の本講演(7月27日、29日)に合わせて実施されるプログラムを支援していく。
この活動に伴い、同社は身近な素材を利用した化学の実験教室「子ども実験教室」を7月から11月にかけて気仙沼市内の3カ所の図書館で、7月28日には福島県会津若松市でも「子ども実験教室」を開催予定。
同社代表取締役社長のヨルグ‐クリスチャン シュテックは「BASFは宮城県や福島県の子どもの教育につながるさまざまな活動を支援しています。また、BASFが世界中で開催している『子ども実験教室』を実施することで、化学が私たちの日々の暮らしの中でどのように役立っているかを伝えたいと思っています。こうした子どもの教育につながる活動は、被災地の復興にも貢献すると信じています」と述べている。
東京では、六本木ヒルズと科学技術館(東京都千代田区)の2カ所で「子ども実験教室」を開催する。
六本木ヒルズでは、森ビル株式会社が8月8日に実施する「六本木ヒルズ水の『ヒミツ』探検ツアー」のプログラムのひとつとして、水の浄化実験を実施。汚れた水を化学の力を利用して浄化する実験を通して、子どもたちに水資源の大切さを学べる機会を提供していく方針。
また、科学技術館では、8月4日、5日に「夢・化学‐21」委員会が主催する夏休み向けのプログラム「夏休み子ども化学実験ショー2012」に参加する。「肌と紫外線のいい関係」をキャッチコピーに、同社の化学品を使って日焼け止めクリームを作り、紫外線との関係について学ぶ。
同社では、身近な素材を利用した実験を通じて、子どもたちに楽しみながら化学を学んでもらう「子ども実験教室」を1997年に本社のあるドイツで開始した。その後、世界各国で実施しており、アジア太平洋地域では2002年から、日本でも2003年より毎年開催し、アジア太平洋地域で参加した子どもは、累計20万人以上に上る。また、子供たちの実験は安全・安心な環境で行えるよう、事前にトレーニングを受けたボランティア社員が先生役としてサポートしている。