東レは24日、四川省成都市に樹脂コンパウンドの新会社「東麗塑料(成都)有限公司」を設立したと発表した。
約10億円を投じて、年産1万1000トンの樹脂コンパウンド設備を導入し、2013年10月の稼動開始を目指す。
新会社設立により、自動車や家電等の一大生産拠点として成長しつつある中国西部地区での樹脂コンパウンド事業の拡大を図る。
これまでの中国樹脂コンパウンド事業は、華南・華東・華北それぞれの地域で事業を展開してきており、2010年に東レグループ中国樹脂事業を統括する東麗塑料(中国)有限公司(TPCH)を設立し、これら3拠点を一体運営する体制を構築してきた。今回の投資は、この3地域に加え更に中国西部でも樹脂コンパウンド事業を拡大するためのもの。
中国市場においては沿岸部だけでなく、成都などの西部地区を中心とした内陸部の経済成長が著しく、特に自動車関連メーカーやノートPCメーカー等が多数進出している。現在中国全土でのエンジニアプラスチック樹脂需要は、自動車や家電用途を中心に年率約12%程度の成長が見込まれているが、中でも西部地区は17%もの成長率が見込まれている。
同社は、今回この西部地区の成長する需要を取り込むために、生産拠点を設置することを決めた。 当初は、PA、PBTやPPSなどの現在自動車や家電用途でよく使われている樹脂を展開し、将来的には更なる高付加価値化のため炭素繊維を使ったコンパウンドやLCPなどの特殊な樹脂も投入していく予定。