横浜ゴムは25日、「Seaflex(シーフレックス)」ブランドで展開しているマリンホースについて、「GMPHOM2009」の型式認証を全モデルで取得、8月より出荷を開始すると発表した。
「GMPHOM2009」は2012年3月、石油会社国際海事評議会(OCIMF)が制定した新規格。
マリンホースは石油や原油の海上移送に使われる大型ホース。海上に設置したブイにタンカーを係留し原油の荷役を行うブイシステム、海底油田開発で一般的なFPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)などで使用される。ホース破損時には重大な海洋汚染事故を引き起こす危険性があることから、油漏れなどに対する高い信頼性が求められている。
今回、約20年ぶりに改訂された「GMPHOM2009」は従来よりもさらに高い耐久性能などを要求し、25000回に及ぶ動的疲労試験を始めとする数多くの厳しい要件を導入している。
同社の主力製品であるダブルカーカスホースは2層構造となっており、1層目が破損しても2層目で油漏れを防止できる点が特長。今回の新規格に対応したダブルカーカスホースは耐疲労性を向上させることで、さらに信頼性の向上を図った。
近年、石油需要は新興国を中心に底堅く推移しており、これに伴いマリンホースの引き合いも増加傾向にある。新規格対応のホースについては、中南米、中東、アジアの新規プロジェクト向けを中心に多くの受注を獲得している。同社は、今回の新規格への対応によりさらなる優位性をアピールし、販売拡大を図っていく方針。