ダイキン工業 電池用電解液事業に参入

2012年07月30日

ゴムタイムス社

 ダイキン工業㈱はリチウムイオン2次電池用電極部材向けのフッ素材料や、電解液向けのフッ素溶媒、添加材などを販売してきたが、このほどフッ素を含んだ電解液を開発、米国の量産プラントで生産を開始し、リチウムイオン2次電池用の電解液事業に本格参入すると20日発表した。

 米国ディケーター工場の「電解液用量産プラント」(生産能力2000㌧)は8月に完工予定で13年1月から米国で販売を開始する。

 同社が開発したフッ素系リチウムイオン2次電池用電解液はリチウムイオン2次電池の高電圧化が可能になり、標準的な電解液を使った同電池に比べ容量が約20%向上できるという。自動車や携帯電話用などで普及拡大が見込まれるバインダー材料や電解液の電池関連の2015年度売上高を180億円以上(12年度は約5億円見込み)とし、うち電解液の売上高を150億円と見込んでいる。自動車・民生・産業用の同電池向け電解液で10%程度の世界シェア獲得を目指す。

 リチウムイオン電池は電気自動車やスマートフォン(高機能携帯電話)に使われ、電解液は電池の性能や安全性向上の鍵を握る。米国での発売について、同社では「米国の電池メーカーは新しい技術による特性改良に熱心。提案型の有力なライバルが不在」としている。ダイキンはこれまで電解液に利用される溶液、添加剤を販売してきたが、他の電解液メーカーにはまねできない自社フッ素材料の品揃えによる豊富な提案力、新開発の高性能フッ素添加剤、溶媒を電解液としてすぐに商品化できる、ニーズを直接取り入れ、電池メーカーの要望に沿った商品開発が可能になることから、フッ素電解液メーカーとして、電解液事業への参入を図った。

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