アロン化成の成形材事業部はこのほど電子材料分野向けの高熱伝導性熱可塑性エラストマー「グレイザードAR」の本格販売を開始した。
同社は電子材料分野では「放熱エラストマーCHシリーズ」を昨年6月に市場投入しているが、今年1月よりブランドを「グレイザード」に統一、本格展開を図るもの。
この「グレイザードAR」は独自の配合技術とコンパウンド化技術を駆使、特殊な軟質系の熱伝導フィラーを導入し絶縁系で熱伝導率1~4W/m・K、汎用の熱可塑性成形機で使用可能なエラストマーとして、低硬度タイプ(硬度=HsA15 (38E))、高制振タイプ(48 ブチルゴム並の制振性)、半硬質タイプ(硬度=HsA 97 (54D) )、高熱伝動タイプ(70)の4グレードを品揃えシリーズ化した。
現在、主流であるシリコーンゴムなどと同等以上の放熱性をもちながら、シロキサンフリーで熱伝導率、制振性、圧縮性、難燃性、長期耐熱性、耐湿性に優れるのが特長。押出成形に加え、インジェクション成形適応で形状の自由度がアップしており、トータルコストが抑制され、リサイクルも可能となっている。
電子機器やLED機器の高密度化や薄型化の中で信頼性を保障するための熱対策の市場ニーズを踏まえてグレードの充実を図ったもの。
薄型テレビやノートパソコンなどの基板・発光体から発生する熱を効率的に逃がすことができる放熱シートは今後も堅調な需要が見込まれ、同社では長期耐熱性の向上を図った高耐熱グレードについても、現在、開発中。
2011年08月08日