東洋ゴム工業は中期経営計画「中計‘11」において、アジア、日本、北米のグローバル3極生産供給体制の構築により、2015年度4500万本、2010年度比55%増の世界供給を確立し、同年度のタイヤ事業における売上高3100億円、営業利益240億円を目指す。
同社では中計11における戦略テーマとして①最適供給体制の構築②独自ブランド戦略の確立③市場・顧客戦略の刷新(成長・収益市場へシフト、NITTOのグローバル拡大)④世界最高の環境配慮技術の具現化―を掲げており、マレーシアのタイヤ新工場建設もその一環でグローバル供給体制を確立する。
需要堅調なアジア、新興国での供給力の増強は重要なテーマとし、マレーシア、中国を主要拠点とした新興国事業の強化を図っており、マレーシアでは2010年12月にシルバーストン社・マレーシア工場を買収、マレーシア新工場では2013年4月に量産開始予定で2015年度に年産500万本を計画している。マレーシアでのシルバーストーン社のタイヤ市場シェアはコンチネンタルに次いで24%を占める2位メーカー。
一方、中国ではタイヤ新工場「東洋輪胎張家港有限公司」が2011年末に稼動予定で年産200万本からスタート。また、2011年6月に年産50万本の「東洋輪胎(諸城)有限公司」の買収を完了している。北米の米国工場では第3期拡張工事が完了、グローバルでの供給体制確立を着々と進めている。
同社では中計11での5年間で総額1500億円の設備投資を計画しており、2011年度は277億円を実施する計画。
これらグローバル供給体制構築で2010年度のタイヤ生産能力年産2900万本を2015年度までに2010年度比55%増の4500万本/年までに拡大する。
具体的には北米では年産300万本から650万本に、アジア地域では5年間で年産1250万本に、日本は年産2600体制とする。