ゴム工業会理事会の詳報(資材関係) ナフサ価格 7月は再び上昇

2012年08月06日

ゴムタイムス社

 〈原油、ナフサ等の素原料の動向〉
 WTI、ドバイ原油並びにシンガポールナフサ価格の2011年1月以降2012年7月までの月間平均値の推移をみると、原油価格は本年3月以降、欧州や中国の景気減速から下落していたが、6月下旬からイラン、シリアなどの中東リスクの再燃、米国での株高や金融緩和への期待などにより投機資金が流入しやすい環境となっており、7月月間平均でWTIが87・5㌦、ドバイは98・5㌦と4ヵ月ぶりに上昇に転じた。
 一方、ナフサ価格は原油価格の上昇や台湾でのクラッカーのトラブル、中国での在庫積み増しの影響もあり、原油同様上昇に転じており、7月はシンガポール、東京オープンスペックとも4ヵ月ぶりに上昇している。
 国産ナフサ価格は、4―6月は4月までのナフサの高値を反映して6万円前後と上昇の予定だが、7―9月は5月以降の下落を反映し、大幅に下落の予想となっている。また、今回の合成ゴム値上げの一因となったアジアブタジエン価格だが、7月は前月に比べて3割程度上昇したが、2月のピークに比べれば6割強の水準となっている。
 この結果、合成ゴムについては値上げ幅を圧縮して、決着したところも出ているとの報道もみられるが、先行きに関しては調整が行われるとの見通しが有力となっている。
 〈天然ゴム価格(東京相場・市中価格)の動向〉
 天然ゴムの東京相場の月間平均値の推移をみると、2012年は3月の310~330円台をピークに下落し、5月以降は300円を割り、240~250円台となっている。
 日銀企業物価指数の動向(一部品目で統合、廃止が行われた)は、今回の見直しにより、基準年の変更があり、これまで報告していた冷延薄板、熱延薄板が廃止されて10品目となった。
 天然ゴムの指数が大幅に変わったが、傾向的には下落傾向が継続している。その他は合成ゴム、塩ビ樹脂、A重油が下落を示しているが、それ以外については上昇傾向にある。
 なお、主要原材料について2010年基準で2007~2012年(1~6月)の指数の推移をみると、2009年を底に上昇にあるが、2012年は2011年より下落、リーマンショック前の2008年に比べると、ナフサとA重油は下落しているが、天然ゴム、合成ゴム、カーボンブラックは上昇している。

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