ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー(本社米国ミシガン州、アンドリュー・リパリス会長兼CEO)は3日、内蒙古中煤蒙大新能源化工有限公司と同社子会社のユニオン・カーバイド・ケミカルズ&プラスチックス・テクノロジー社が、年産30万トンのポリプロピレンプラントに関する技術ライセンス契約を締結したと発表した。
内蒙古中煤蒙大新能源化工有限公司は、中国国営の石炭大手、中煤能源集団有限公司の子会社。
中煤蒙大公司は、年産50万トンのエンジニアリングプラスチック・プロジェクトのひとつであるポリプロピレンプラント用に、「ユニポール」ポリプロピレンプロセス技術のライセンスを受ける。同社は2014年から、中国内モンゴル自治区オルドス市で、ホモポリマー、ランダムコポリマー、耐衝撃性コポリマーの製造を開始する予定。
「ダウは、顧客がアジアや世界で成長が続くポリプロピレン市場のニーズに対応できるよう、全力を挙げて支援を続けています。投資金額および操業コストが低いことから、『ユニポール』ポリプロピレンプロセス技術は、世界中のポリプロピレンメーカーから注目を集めています。この技術のライセンスによりダウの製品知識や、触媒技術の強みが活用でき、幅広いポリプロピレン樹脂の製造が可能になります」と、ユニオン・カーバイド・ケミカルズ&プラスチックス・テクノロジー社のトレーシー・クレックラー社長は述べている。
現在世界では47の製造ラインが同技術を採用している。同技術は、気相法により多岐にわたるポリプロピレン樹脂の製造を可能にしている。また、その簡潔な設計により製品の品質とエネルギー効率が高まり、溶剤の取り扱い、分離、再生利用のための機器が不要となる。同プロセスに使われる流動床型反応器および「CONSISTA」(コンシスタ)触媒と「SHAC」(シャツク)触媒の柔軟性により、ホモポリマー、ランダムコポリマー、耐衝撃性コポリマーを製造することが可能になる。
同技術により製造される樹脂は、世界のポリプロピレン生産量の17パーセントを占めている。ポリプロピレンは包装材、耐久消費財、自動車部品、不織布、繊維、民生用途など、さまざまな製品に使用される多目的プラスチックスのひとつ。