クラレ 欧州向け販売不振で経常利益31・9%減

2012年08月13日

ゴムタイムス社

 クラレ㈱が発表した2013年3月期第1四半期連結決算は売上高が同1・6%減の885億2300万円、営業利益が同26・0%減の116億9800万円、経常利益が同31・9%減の105億9000万円で減収減益となった。
 また洗剤・農薬包装等、産業用米国ポバールフィルム製造会社の買収関連費用を特別損失に計上したため、四半期純利益は同37・7%減の58億2200万円となった。
 化学品の熱可塑性エラストマー(セプトン)や耐熱性ポリアミド樹脂(ジェネスタ)が順調に推移したものの、欧州を中心とする景気減速で販売需要が低迷し、長引く円高の影響などが響いたことにより、減収減益となった。
〈樹脂〉
 ポバール樹脂、PVBフィルムは世界的な景気減速を背景に需要が低迷。光学用ポバールフィルムは液晶パネルの在庫調整が続いたため苦戦した。またEVOH樹脂(エバール)は食品包装用途が世界的な景況悪化の影響を受けたものの、自動車用途は堅調に推移した。 この結果、売上高は前年同期比4・5%減の370億9700万円、営業利益は同15・4%減の119億1300万円。
 〈化学品〉
 メタクリル樹脂は導光板向け成形材料の出荷は回復傾向。販売数量が拡大したものの、全般に市況悪化の影響を受けた。熱可塑性エラストマー(セプトン)は北米を中心に需要が回復に向かい、販売数量が増加した。ファインケミカルは国内・アジアを中心に高付加価値品の販売が拡大した。耐熱性ポリアミド樹脂(ジェネスタ)はコネクタ用途、液晶向けLED反射板用途、自動車用途等、いずれも順調に拡大。メディカルは国内外ともに歯科材料の出荷が堅調に推移した。
 この結果、売上高は同4・7%増の199億円、営業利益は同54・5%減の11億5400万円。

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