宇部興産㈱(竹下道夫社長)は航空宇宙材料事業推進の一環として,次世代宇宙システム技術研究組合が進めている超小型衛星システムの研究開発プロジェクトに参画した。
同組合は東京大学超小型衛星戦略研究センターと連携し、1機50㎏程度で低コストかつ短期開発可能な超小型衛星システムを実現することで、宇宙利用の飛躍的な拡大を図り新たな宇宙産業を創出することを目指している。今後3年間で5機の超小型衛星を打ち上げ技術実証を行う計画。
同社は小惑星探査衛星「はやぶさ」にも採用されたポリイミド熱制御フィルムや特殊セラミック材料のほかポリイミド複合材料や発泡ポリイミドなどの先端材料を航空宇宙市場向けに開発している。同社の先端材料技術が超小型衛星の軽量化・高機能化に活かせ、衛星の開発を通して新たな先端材料技術の研究開発が見込めることなどから同組合の加入を決定した。
今後、超小型衛星システムの実現に向けて太陽電池パドル用の軽量パネルや固体蓄熱材料、薄膜
熱制御デバイス、新規断熱ブランケット、さらにはリチウムイオン2次電池材料などの開発を進めることを予定。また先端材料の開発に留まらず、新規事業の一環として将来の超小型衛星システム事業や超小型衛星利用事業への参入なども視野に入れて取り組む。
同組合は東京大学中須賀真一教授による日本発「ほどよし信頼性工学」を導入した超小型衛星による新しい宇宙開発・利用パラダイムの構築を実施・推進するために2010年3月に設立された。
2011年08月09日