新日鐵化学(二村文友代表取締役社長)は20日、中国江蘇省での生産・販売拠点の新設を決定したと発表した。世界最大のコールタール蒸留企業である米国コッパース社と戦略的提携を行う。
中長期的に成長が見込まれる新興国市場での需要増に応えるため、中国江蘇省邳州市においてコッパース社から供給される原料をベースに、電炉用黒鉛電極の原料となるニードルコークス、自動車用タイヤ等の原料となるカーボンブラックの生産・販売会社をそれぞれ新設する。総投資額は約130億円、売上規模は約200億円を見込み、設備の稼働開始は2014年6月頃を予定。
コールタール蒸留による原料ピッチの調達をコッパース社と中国コークスメーカーの沂州(イジョウ)グループが新設するJV会社が、ニードルコークスおよびカーボンブラックの生産・販売を同社グループが担当する。
ニードルコークス生産・販売会社は社名未定。生産能力は6万㌧/年。資本金は約3億人民元(日系独資・総投資額約100億円)。所在地は中華人民共和国江蘇省邳州市経済開発区。事業内容はニードルコークス、含浸ピッチ(IP)等の生産・販売。設立・運営は同社子会社で、コールタール蒸留事業を展開するシーケムが中心となる。
カーボンブラック生産・販売会社は社名未定。生産能力は5万㌧/年。資本金は約1億人民元(日系独資・総投資額約30億円)。所在地は同じく中華人民共和国江蘇省邳州市経済開発区。事業内容はゴム用カーボンブラックの生産・販売。設立・運営は同社子会社で、国内でカーボンブラック事業を展開する新日化カーボンが中心となる。