住友ゴム工業の12年12月期第2四半期連結決算は、売上高3337億3400万円、前年同期比11・4%増、営業利益322億6500万円、同63・1%増、経常利益303億2300万円、同60・8%増、中間純利益164億2200万円、同83・8%増の増収増益となった。決算説明会で、池田社長は通期の業績予想並びに経営方針の進捗状況などについて言及した。
経常段階における通期の増減要因は、石油系原材料価格高騰で88億円の減益予想ながら天然ゴムで240億円、その他5億円の増益要因となり、原材料全体では157億円が増益に寄与、さらに価格修正(108億円)、数量・構成(2億円)、直接原価(9億円)、スポーツ(14億円)、産業品・他(8億円)が増益となり、固定費増(35億円)、その他経費増(110億円)の減益要因をカバーして差引き111億円の増額を見込んでいる。
前年同期対比でのタイヤ販売本数について、池田社長は「国内新車用は1―3月が36%増、海外新車用は3%増、国内市販用は1%増、海外市販用は3%増で、全体では7%増、4―6月は国内市販用が7%減となったが、全体では6%の伸びを達成した。下期は、国内新車用が19%増、海外新車用は21%増、国内市販用は横ばい、海外市販用は1%増を見込み、全体では5%増を計画している。海外市販用の地域別はロシアを含む欧州が低迷するものの北米、中近東は前年を上回り、アジアは10%増」などと語った。
タイヤ生産能力については、昨年の4万6550㌧から12年末には4万9450㌧となり、前年比6%の伸長率。海外生産比率は11年が43%、12年は46%となる。設備投資は、12年度合計で593億円。このうち海外投資は374億円を計画している。
中長期の経営方針は体質改善、グローバル体制、財務基盤確立、価値観の共有、次世代経営幹部の育成の5つのテーマで取り組みしているが、このうちグローバル体制および財務基盤の強化について池田社長が説明した。
「タイヤ需要は新興国を中心に増加すると見込まれ、中国湖南工場の建設を2年前倒しで実施した。タイ工場は世界最大級の工場へ拡張する計画で、ブラジル工場は13年生産開始の予定。さらに、ブラジルに次ぐタイヤ新工場の建設も最終の絞り込み段階。販売戦略ではインドに販売会社を設立する」(池田社長)
財務力の基盤確立では「新しい収益源の確保、全体最適の推進の英文の頭文字を合わせ、NEXT活動を推進している。環境対応タイヤでの市場優位性の拡大やコスト優位性の拡大、技術開発優位性の拡大を図る」(池田社長)。