ゴム可塑剤用途で「ポリブテン」の採用拡大
巴工業
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巴工業㈱合成樹脂部では、韓国メーカーの大林産業が製造する「デーリムポリブテン」の輸入販売を行っており、ゴム可塑剤用途で着実に需要を伸ばしている。
「デーリムポリブテン」は、化学的な安定性と通常の条件下での高い電気特性、耐候性、耐酸化性を備えた液状ポリマー。全グレードが無色透明・無毒であり、疎水性にも優れるという特色を持つ。
主な用途は、各種潤滑油、電気絶縁材料、天然ゴム・合成ゴムの可塑剤、増粘 剤、接着剤・糊、グリース、防水剤、コーキング、シーリング、アスファルト改質剤、チューインガム基材など広範囲にわたる。
積極的は販売活動により、今年度は新たに自動車用ゴム部品メーカーで採用が決まるなど、着実に販売を伸ばしている。
ポリブテンは、ピーク時には年間2万㌧超の国内市場であったが、その後市場は縮小し、現在は1万数千㌧規模。このうちゴム用の市場は年間6000㌧ほどで、巴工業では数年後をめどに年間1000㌧程度の販売まで高める計画だ。
同社では「採用いただければ品質の優秀さやトータルコストでのメリットを享受いただける製品であり、地道ながら需要家にアピールを続けていき、採用を伸ばしていきたい」とする。
同社が輸入す販売する「デーリムポリブテン」の製造元である大林産業は、建築・建設、石油化学、自動2輪生産など幅広い事業活動を行っている。ポリブテンは石油化学事業の生産品目の一つで、このほかPE、PP、さらにスーパーエンプラも生産、韓国有数の石化メーカー。韓国の南端、麗水に工場を有し、生産能力を年産7万5000㌧から、ほぼ倍増の14万㌧体制を構築、世界規模での需要増への対応を図っている。
巴工業は機械と化学の2つの事業領域で事業展開しており、化学品事業は欧米を中心とした世界各国から優れた商品を輸入販売している。
化学品本部は1952年に発足。戦前から関係を深めていた米国のユニオン・カーバイド社からポリエチレンをはじめとした合成樹脂の輸入販売を開始した。
同社の12年10月期中間連結決算は、売上高211億5600万円、営業利益14億2000万円、経常利益15億1000万円で減収減益となったが、通期は売上高429億円で前期比1・2%増と小幅ながら増収、営業利益も25億円、前期比3・3%増を見込んでいる。
(2012年8月27日紙面掲載)