セイコーインスツル子会社 動的粘弾性測定装置を新発売

2012年08月28日

ゴムタイムス社

 セイコーインスツル(鎌田國雄社長)は27日、同社子会社が操作性・信頼性を向上させた動的粘弾性測定装置「DMS7100」を同日発売すると発表した。価格は1100万円~(税別)、販売目標は年間50式。

 発売元は同社の100%出資子会社で、計測分析装置の製造販売を行っているエスアイアイ・ナノテクノロジー(SIIナノテク、川崎賢司社長)。

 熱分析の一種であり、プラスチックやゴム・エラストマー、または複合材料など、さまざまな高分子材料の力学的特性を分析する方法の一つである動的粘弾性測定は、ポリマーの分子運動や分子構造に関する情報を得ることができ、新しい材料を開発する上で欠かすことのできない測定法。また、工業材料の力学的特性が製品等の基礎開発から量産に至る加工工程において重要な役割を持つことも多く、材料の品質を管理する目的にも利用されている。

 今回発売する動的粘弾性測定装置「DMS7100」は、前モデルDMS6100の性能および機能を踏襲し操作性・信頼性を向上させたモデル。具体的には、サンプルを固定するための各種測定ヘッドの形状を改良し、サンプルの脱着を容易にした。また、対話型ソフトウェアの「かんたん測定ナビゲーション」によりサンプルの取り付け方法や測定条件の設定が分かりやすく表示され、初めて装置を使用する場合でも簡単に測定が可能。加えて「リサージュモニター機能」により測定ポイントごとに応力と歪みのリサージュグラフを見ることができるため、信頼性の高い測定を行うことができる。さらに測定中の試料の状態変化をCCDカメラで同時観察できる試料観察オプション「リアルビューDMS」にも対応した。同製品には既存のEXSTAR7000シリーズで採用している全自動ガス冷却ユニットを接続使用が可能。同ユニットは液化窒素の消費量を約30%削減(当社比)できるエコタイプの冷却ユニット。

 SIIナノテクは1974年に熱分析装置を発売以来、国内トップメーカーとして多くの納入実績を持つ。今回、同製品がラインナップされることで、ユーザーから好評なSIIの熱分析装置シリーズ「EXSTAR7000」が完結。今後、機能性高分子材料を中心とした新しい工業材料の研究開発、さらには品質管理を目的とした顧客へ積極的に販売を進めていく方針。

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