帝人 火星探査機パラシュートにアラミド繊維が採用

2012年08月29日

ゴムタイムス社

 帝人は28日、子会社の帝人テクノプロダクツが製造・販売しているパラ系アラミド繊維「テクノーラ」が昨年11月に打ち上げられた米航空宇宙局(NASA)の無人火星探査機「キュリオシティ」と着陸時に使用する超音速パラシュートとをつなぐサスペンション・コード(吊り下げ用のコード)の素材として採用されたと発表した。
 「キュリオシティ」は今月6日(日本時間)、火星大気圏への突入後に、このパラシュートで降下しながら2分以内に時速約1450kmから時速約290kmまで減速し、その後無事火星に着陸。この超音速パラシュートは、「テクノーラ」製のサスペンション・コードを80本装着しており、コードも含めると総重量約60㎏、直径約15mになる。全長は16階建てのビルに匹敵し、これまでに製造されたパラシュートの中で最大のサイズ、最高の強度を誇るという。
 NASAの計算によると、火星着陸時にこのパラシュートが受けた重力は9G(地上生活時の重力の9倍)で、これは80本の「テクノーラ」製サスペンション・コードが、27トンの重量に耐えたということになり、同コードは実際に72・5トンの重量に耐え得る強度を装備。さらに寸法安定性、耐熱性などの「テクノーラ」の優れた特性がNASAに高く評価されたことから、このたびの採用に至った。

 

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