三井化学(田中稔一社長)は8月30日、同社子会社がシンガポールにおける高機能エラストマー(商標名:タフマー)の生産能力の増強を決定したと発表した。
増強を行うのは、同社の100%子会社であるシンガポールのMitsui Elastomers Singapore Pte Ltd(以下MELS、小守谷敦社長)。
今回の増強は、タフマーを対象にシンガポール・ジュロン島内のMELS工場敷地内で行う。増強内容は8千トン/年の特殊銘柄生産設備新設、製品倉庫・出荷設備の増強。投資額は約25億円。2013年10月に完工の予定。
同製品は同社グループが「世界トップ5事業」に位置づける、世界トップシェアを有する競争優位製品であり、柔軟で軽量な性質を有するため、樹脂改質材や軟質成形材料として自動車、産業材、包装資材などに幅広く使用されている。
同製品の需要はアジアを中心とした経済成長と産業の高度化を背景にますます拡大していくことが見込まれており、中でもエンジニアリングプラスチック改質材の特殊銘柄は自動車生産台数の伸びや自動車軽量化の進展等により世界的に需要が大きく伸長している。そこで、同社は日本の現行生産設備に加えてシンガポールへ新たに特殊銘柄生産設備を導入し、生産能力を増強する計画。
また、同製品事業ではこれまでも北米・欧州地域での物流拠点を設置するなどグローバル物流体制の整備を進めてきたが、今般シンガポールにおいても物流品質レベル向上を目的として、MELSの製品倉庫・出荷設備を増強する。
同社およびMELSは今後も高品質の製品を供給する製造・販売・技術サービス・物流体制を拡充し、更なるタフマー事業の強化・拡大を積極的に進める方針。
MELSは2001年に設立。資本金96・3百万米ドル、生産能力は20万トン/年。事業内容は高機能エラストマー「タフマー」を中心としたエラストマー製品の製造・販売。