三井化学㈱(田中稔一社長)は、出光興産㈱(中野和久社長)と共に運営している千葉ケミカル製造有限責任事業組合(LLP)において、柔軟で効率的な運営を推進するため、更なる石化事業の構造改革を実施することを決定したと5日発表した。
中東及び中国を中心とした大型石化設備の新増設、北米におけるシェールガスの台頭などにより、日本の石化事業は抜本的な国際競争力の強化が必須の状況。こうした状況下、同社は出光興産とともに千葉地区における両社のエチレン装置の運営を統合したLLPを2010年4月に設立し、日本トップレベルの競争力をもつエチレンセンターの構築を目指している。
今般、エチレン装置について、今後の誘導品流入による内需の低下及び輸出市況の低迷による低稼働を見込み、需要動向に柔軟に対応するために低稼働領域で高効率となる改造を行い、13年8月からの稼動を決定した。合わせてLLPにおいて2基のエチレン製造装置をより柔軟に最適運営出来る対策を進めている。
また、ポリオレフィン事業については、同社と出光興産によって設立した株式会社プライムポリマー(PRM)において、徹底的な合理化と汎用分野から高付加価値分野へのシフトを進めており、既に2つのポリプロピレン装置の停止決定、また2011年11月に高付加価値ポリマー「エボリュー」の増強(24万t→30万t)を実施している。
今般、更に構造改革を進めるため、汎用分野及び海外品との競合に晒されている高密度ポリエチレン事業において2013年3月に千葉地区の装置1基(13万t)の停止を決定した。 これらにより、千葉地区のエチレンセンターの最適な稼動体制が確保できることになり、同社では、今後とも石化事業における構造改革を進め、国内での勝ち残りと国際競争力の更なる強化を図っていくとしている。