日本免震構造協会 第15回免震フォーラムを開催

2012年09月13日

ゴムタイムス社

 一般社団法人日本免震構造協会(西川孝夫会長)は8月31日、東京都新宿区にある工学院大学・新宿キャンパスで「第15回免震フォーラム」を開催した。
 今回のテーマは「巨大地震に対して免震・制振建築はどうあるべきか」として、基調講演等が行われ、当日は参加者が約230名に及び、会場はほぼ満席状態だった。
 開会の挨拶では、西川会長が「この企画は関心が強くて、7月末には申し込みをお断りするくらいの関心があった。今回のテーマは『巨大地震に対して免震・制振建築はどうあるべきか』として、
ぜひ、プログラムの最後の意見交換会まで、皆様と一緒に考えていければいいと思います」と述べた。
 最初の基調講演として、東京大学地震研究所平田直教授が「首都直下地震の姿に迫る」をテーマに行った。
 平田教授はプロジェクターを使用しながら、地震と震災の違いという名称の使い方から始まり、南関東ではたびたび大地震が起きていた、首都圏地震観測網等をわかりやく解説した。平田教授によると、2011年東北地方太平洋沖地震の首都圏への影響は、現在でも続いており、南関東地震の発生率は2011年3月11日以前に比べると高くなっているという。
 次の基調講演では、北海道大学大学院菊池優教授が「東日本大震災から学ぶ免震構造の在り方」をテーマとして行った。
 菊池教授はプロジェクターでグラフや写真を使用しながら、免震構造の現状認識、東日本大震災における免震構造の評価、被害想定の見直しと免震構造の対応、最悪のシナリオに対する免震構造のあり方等を説明した。菊池教授は「日本は世界の中で免震大国ではあるがもっと普及すべき」と述べた。
 基調講演終了後、各企業からの発表が行われ、約4時間に渡っての講演に参加者は熱心にメモをとっていた。
 発表終了後、夕方から意見交換会を開催し、同フォーラムは終了した。

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