「免震建物であることが、業務・生活の継続に効果を発揮した」ことが、日本免震構造協会が実施した「東日本大震災における免震建物居住者へのアンケート」調査で分かった。
8月31日に開催された「第5回免震フォーラム」では菊地教授(北海道大学院)が「東日本大震災から学ぶ免震構造のあり方」をテーマに東日本大震災における免震構造の評価等について講演。この中で同氏は「免震建物は期待された免震効果を発揮した」ものの、「エキスパンション部の障害が多く発生している」「鉛ダンパーにひび割れが発生している」「鋼材ダンパーボルトのゆるみ、塗装のはがれ等が発生している」「免震装置取付け部のコンクリートが剥離した」「津波浸水による錆が発生した」などのマイナス面も指摘した。また、長期地震動が免震構造に与えた課題として、免震装置の過大な水平変形、変動軸力による積層ゴムの座屈・引き抜き、長時間の多数繰り返し載荷による疲労劣化ーを指摘した。防災拠点となった栗原市消防本部でのヒヤリングでは「免震効果が実証されたことをPRして、もっと免震を普及させてほしいと願う」「本当に免震でよかったと思う。
2012年09月11日