ユニチカトレーディングは11日、東日本大震災の復興支援を目的に、瓦礫やゴミ処分場焼却灰などから漏れ出し、水中に溶出しているセシウムを選択的に吸着させることが可能なプルシアンブルーを利用したセシウム吸着繊維材「CSCATCHER(シーエスキャッチャー)」を、独立行政法人産業技術総合研究所(産総研)との共同研究によって開発したと発表した。
東日本大震災によって起きた原発事故による飛散された放射性物質などの問題に対応すべく、放射能汚染地域の拡大防止に貢献する素材開発を産総研と共同で進め、これまでに培ってきた繊維加工技術を応用することで、セシウム吸着繊維材「CSCATCHER」を開発した。
「CSCATCHER」は、セシウムを選択的に吸着することで知られるプルシアンブルーを繊維表面に強固に担持させたもので、通常のプルシアンブルーよりも表面積が圧倒的に大きく、より高いセシウム吸着性能がある。また、綿・糸・織編物・不織布等、さまざまな形態の繊維材料へ適用が可能となっている。
今後、高い吸着性能やさまざまな形態の繊維材料への適用が可能などの特長を活かし、焼却炉の灰に含まれるセシウムの吸着や、農業用水のフィルターなど除染に関わるさまざまな用途に提案し、復興地域での採用を目指す。