ランクセスは、9月11日に、シンガポールに新設するネオジウム触媒ポリブタジエンラバー製造プラントの起工式を開催した。 同社はジュロン島のケミカルパークに年間製造能力14万トンを備えるプラントを建設する。
同プラントでは、主にアジアにおいて急成長する「エコタイヤ」市場に向けに、主要材料のひとつであるNd―PBRを製造する。 稼動開始は2015年上半期の予定で、2億ユーロを投資して、約100名の雇用創出を見込んでいる。
Nd―PBRは、「エコタイヤ」のトレッドとサイドウォールに使用され、タイヤの転がり抵抗の低減と燃費向上の実現に寄与する。
ランクセスのCEOであるアクセル C. ハイトマンは、ジュロン島で行われた同プラントの起工式で「現在建設中のブチルゴム製造プラントに続き、シンガポールにもう1つの大規模なゴム関連の投資ができることは大変喜ばしいことです。これはランクセスの『グリーンモビリティ』への明確な取り組みを表しています。ランクセスは、タイヤの転がり抵抗の低減と燃費向上を実現する技術に注力します。これが顧客満足度を高めるとともに、環境保護へと繋がります」
と述べた。
起工式にはアンゲリカ・フィーツ 駐シンガポールドイツ連邦共和国大使とシンガポール経済開発庁(EDB)のレオ・イップ長官らも出席した。
2012年11月からEU(欧州連合)においてタイヤラベリング制度が義務化される。同制度では、燃費性能、ウエットグリップ性能がAからGまで等級付けされ、さらに騒音量についても計測、等級付けが行われる。
「エコタイヤ」の付加価値を明確化することで、新制度は、消費者にタイ
ヤを識別するための透明性をもたらし、ミュンヘン工科大学によると、EUにおけるAおよびB等級の市場シェアは、2017年には20~30%に達し、
2022年には70~80%程度まで拡大すると見込まれている。
ランクセスのNd―PBRの新プラントは、現在、ジュロン島に建設中のブチルゴム製造プラント(投資額4億ユーロ)に隣接して建設されている。
同ブチルゴム製造プラントは、ランクセス設立以来、単独投資として最大規模を誇り、2013年第1四半期より稼動開始する予定。
2012年09月14日