全国ゴム商組連合会の会議が9月13日、名鉄ニューグランドホテル(名古屋市)で開かれた。中部ゴム商組が幹事組合として、川島健一理事長が司会役となり会議を進めた。アンケートによる各地区会員企業数の異動結果などを報告、各地区の活動状況や市況交換を議題に意見交換を行った。
〈北海道ゴム商組・中谷善夫理事長〉
12年上期の道内全体の景気は自動車関連を中心に民間設備投資の改善、震災以降減少していた来道客数の回復などにより、緩やかながら持ち直しの動きは続いているが、先行きは不透明感が残されている。生産活動は、鉄鋼は自動車関連向けが減少傾向にあるが、全体では大きな落ち込みにはならないとみられ、製紙関連は印刷用紙が減産しているものの工業用雑種紙が上向きにあり、ほぼ横ばいの状況。セメントは首都圏向けの需要に対応するためフル生産を維持、自動車関連はハイブリッド車用変速機などの増産に応じて順次、設備増強が行われる計画。
こうした中で、北海道ゴム商組は商工一体となった活動を行い、今後の環境変化に伴った成長を図っていきたい。今後は他地区との交流も含めた、会の目的・意義の見直しを組合の維持・継続と発展のために行っていきたいと考えている。
〈東北ゴム商組・秋保幸男理事長〉
震災の復旧作業でベルト・ホース、ゴム板などあらゆる物が大量に集中的に緊急品として動いた。ある程度行きわたり、今年に入り需要は一段落した。原子力発電所事故、ガレキ処理、防潮堤、港湾整備、河川・JR線、塩害対策など未だ復旧途上にあり、食料品、工業製品の風評被害の克服、被災者、国内避難者の扱いなど問題が山積している。
組合員企業はほぼ全社が震災前の状態に戻ることができた。皆様のご支援のお蔭であり、義援金や国・県・一般法人の助成金で多くの企業が助けられたのも事実であり、心より感謝申し上げます。
〈東部ゴム商組・西山博務理事長〉
経済不況のため平成21年度から行っている組合員の賦課金減額、賛助会員の会費減額などは元に戻すタイミングがないまま引き続いている。各支部においても本部の賦課金減額に伴い、支部会費の減額を行っており、本部同様厳しい運営をしているところも多い。
商品展示説明会は、回を追うごとに趣旨が理解され、賛助会員36社、組合員21社、工業会2団体と出展企業数も増え、来場者も約1200人と大盛況だった。また、上野鈴本貸し切り寄席は恒例となり、今年も11月1日と2日に開催することを決定している。
現在、共済会の加入会員は112社・2865人、保険総額は80億円と横ばい状態ではあるが、様々な事業をを続けていく意味からも加入促進を図っていく。
組合のホームページは活動の情報や行事写真などを掲載し、見やすく、よりタイムリーに情報を発信している。会報は隔月発行であるが、奇数月にはFAX版を発行し、メールマガジンも毎月発行している。さらに懸賞問題を掲載するなどコミュニケーションツールとして活用し、現在は約1000名に配信している。
〈西部ゴム商組・祖父江一郎理事長〉
近畿経済産業局まとめによる近畿経済は、緩やかながら持ち直しの動きが続いている。生産は薄型テレビ関連が引き続き弱いもののエコカー補助金などの政策効果に加え、鉄鋼や機械器具分野の一部で震災やタイ洪水被害の復興需要がみられることなどから、持ち直しの兆しがみられる。設備投資は、製造業では海外での生産増強のための投資を拡大する動きがみられ、非製造業でも小売業を中心に積極的な出店投資などが予定されており、回復の兆しがみられる。
組合活動としては、人材育成委員会において「ゴムに関する勉強会」を6月に、7月から10月にかけて4回のシリーズで品質保証に関する勉強会を開催する。次世代経営者の会では講演会を開催、今後の行事予定としては12月に海外研修(インドネシア)を計画、親睦事業では大阪ゴム商業会と共催でソフトボール大会、ミニハイキング、ボウリング大会を予定している。
〈四国ベルトホース商業会・秦幸助副理事長〉
一般機械、化学が増加するなど緩やかな持ち直しがみられつつあるが、全般的には景気回復が遅れている状態が続いている。県別にみると、愛媛県、高知県は外需減速の影響などにより操業度を引き下げる動きが散見されている。香川県、徳島県の設備投資は底堅い動きで、公共工事も持ち直し基調にある。
ベルト、ホース製品は底堅い需要があるものの四国全体の需要は増加しておらず、四国全体の生産活動同様、県別・産業別によって温度差はあるものの世界景気の減速や円高などの懸念材料が多く、一進一退の状況が続いていくと思われる。
組合活動は、四国地区は会員数減少のままで推移しているが、業界の世代交代が進む中、今後は会員減少に歯止めをかけ、新たな会員増強に努めていきたい。親睦を中心とした組合運営を行っており、毎年旅行形式で開催地を工夫しながら定例総会を開催している。
〈西日本ゴム商組・坂口幸男理事長〉
九州地区の経済規模は日本全体の1割経済と言われ、面積(全国比11・1%)や人口(同10・5%)をはじめ、自動車生産台数(同14・2%)や輸出額(同10・6%)もほぼ全国比1割を占める。基幹産業のIC生産額は同30・9%を占め、九州地区の果たす役割は大きいと思われる。域内生産額(平成21年度)は約43兆円で、ベルギーと同等の経済規模。
工業構造は加工組立型が4割を占める。基礎素材型のウエイトは非鉄金属や石油製品・石炭製品などが増加したことで、2年ぶりに上昇した。業種別では食料品関連製造業、輸送用機械器具製造業、電子部品・デバイス・電子回路製造業などのウエイトが高い。
〈中部ゴム商組・川島健一理事長〉
中部地区の市況は、前半は自動車関連が新型車投入効果に加え、エコカー補助金などの政策効果から生産は震災前の水準に戻っている。設備投資も固定化した円高により新興国での海外現地需要対応が中心で、中小企業の海外進出も目立つようになり、国内への設備投資は慎重で、現状維持更新にとどまっている。
ゴム業界は自動車関連のライン商品は夏まで好調に推移した。液晶テレビ関連は厳しく、他産業や設備投資関連はバラつきがみられるが、概ね横ばいで推移。国内産業空洞化が、今後のゴム業界の悪化懸念となっている。
組合活動は環境問題の啓蒙を環境部会として行い、会報「ひしょう」の発行、親睦行事としてゴルフ大会、ボウリング大会、各種の研修活動を実施している。
2012年09月24日