技術開発力を強化へ 震災復興 インフラ関連需要に期待
三洋ゴム工業
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三洋ゴム工業の本年上期(1―6月期)のCMB販売実績は、前年の4―6月期が震災直後で自動車生産を中心に需要が大きく落ち込んだ影響から、前年同期比105%と堅調な伸びとなった。
足元の需要動向については「7月以降、需要に陰りが見え、下がり気味の推移だが、秋以降の持ち直しに期待したい」(君島社長)と現状はやや低落傾向にあるという。こうした中で、同社は引き続き積極的な受注活動に努め、年間では前年比110%と1割程度の伸びを目標にしている。
「原材料事情だが、一時はブタジエンの供給不足から材料調達面で混乱の動きもあったが、現在はこの問題も解消され、調達には不便なことはない。また、天然ゴム価格の下落で、ユーザーからは値下げ要求も断続的にきているが、合成ゴム価格の動きは先行き不透明で、引き続き適正な加工費の確立が業界としての課題だと思われる」(同氏)と語る。
下期の需要見通しについては、スローダウンを予測しているが、上期の増加分でカバーする考え。
「遅れ気味ではあるが、東北地域の復興需要も水道や電気などインフラ関連に期待され、生活必需品分野の回復が目立つのでは。そのあとに公共工事関連需要が出てくれば産業資材の需要も伸びるであろうし、復興に向けてのムードも高まるだろう」としている。今後の事業展開については、ユーザーの海外進出に伴い、国内市場の縮小は避けられないとの認識のもと、技術開発面に注力し、高付加価値を追求し、ユーザーから求められるコンパウンド開発に特化する方針。
「ゴムの改良や新配合など、顧客からの要望も多く、細かく対応することで技術力も高まり、ユーザーとの信頼関係もさらに密にすることができる。技術開発のスタッフを強化することで付帯するサービスの強化も含めて生き残りを図る」(君島社長)とする。
なお、同社の君島社長は日本ゴム精練工業会の前会長であり、CMB業界が引き続き健全に発展することを願っている。
(2012年9月24日紙面掲載)