東海ゴム工業㈱(西村義明社長)は、中国・ 上海の上海天普汽車零部件有限公司(略称:上海TIP)と共同出資の自動車用ホース製造・販売合弁会社、東海天普汽車零部件(上海)有限公司(略称:TTAS)を設立し、2012年末より生産を始めると9月21日発表した。 TTASでは、上海TIPの工場を活用して自動車用のエアコンホースをはじめとする各種ホ ースを生産する。中国式工場運営を取り入れることで、材料調達や労務管理の低コスト化を図り、中国ローカルメーカーへの拡販や、日本などへのグローバル生産の新拠点とする計画。
中国では、2020年度の自動車生産台数が世界シェア(占有率)で25%に達する見通しであるなど、今後も旺盛な需要を背景に高水準の生産が続くと予測している。同社グループはこれまで、日系自動車メーカーへ製品を供給してきたが、今後、さらに中国でビジネスを拡大するには、中国ローカルメーカーへの販路獲得が不可欠であることから、中国ローカルメーカーへの営業ノウハウや人脈がある上海TIPとの合弁会社を設立することを決定した。
さらに、TTASで安定した品質の製品を安く生産できる利点を生かして、中国から日本などへの製品納入拠点としても活用していく方針。同社グループは、2011年3月に中国・天津に自動車用防振ゴムの合弁会社、環宇東海橡塑(天津)有限公司(略称:HTR)を設立し、中国での販路獲得や低コスト生産を実現している。今回のTTAS設立は、HTRの考え方を引き継ぐもの。
成長市場であるアジア地域での市場獲得を重要な経営戦略に位置づけており、中でも大きな市場である中国で、拡販とコスト低減を両立した事業展開を加速していく。
<TTASの概要>
所在地=中国上海市金山工業区亭衛公路4555号(上海天普工場敷地内)
生産品目=自動車用各種ホースと関連部品
資本金=30百万人民元(3億75百万円)
出資比率=東海ゴム工業60%、上海TIP40%
代表者=董事長 金岡克典(東海ゴム工業 常務執行役員 自動車用ホース事業本部長)
従業員数=約330名(2016年度見込み)
売上高=約3億人民元(約37億円、2016 年度見込み)
工場面積=建屋 延べ約19、000㎡
投資額=33百万人民元(約4億10百万円)