研究施設2倍 東南アジアへの事業移転にも対応
旭化成ワッカーシリコーンは10日、つくば事業所・技術センターの開所式を行った。
旧明野工場を拡張し、新たに技術センターを開設し、名称も「つくば事業所」に変更する。
開所式で二宮聖代表取締役社長は「今後も日本だけでなくアジアの顧客に安心して使用できる製品を開発製造できるよう社員一同力を結集して頑張っていきたい」と挨拶した。また、親会社を代表してワッカー・ケミーAGのウィルヘルムシッテンターラーエグゼクティブボード、旭化成ケミカルズの永原肇常務執行役員らが祝辞を述べた。
技術グループが入っていた事務棟が東日本大震災で被災し使用不能になったため、隣接していたバイエルクロップサイエンス社より、バイエルクロップ研究棟および周辺土地を購入。技術センターは1F・2Fの総面積で旧研究施設の2倍の2千㎡となる。
旧技術センターでは実験装置、評価装置を増強していたため、手狭になっていた。敷地面積は今回の購入分を含めて約3万㎡。
シリコーン事業におけるより一層の技術サポート、顧客サービスを充実させ、グローバルレベルでは、つくば事業所はワッカーグループのシリコーン事業における、自動車分野のアジア拠点となっており、国内のみならず日系企業の東南アジアへの事業移転にも対応し、顧客サービスを強化していく。
今後用途の拡大が見込まれる健康快適美容などのパーソナルケア分野に向けた製品も少量から中量に向けた自作も可能になり、顧客のニーズにタイムリーに対応できるようになる。
さらに、実機のシュミレーションを行えるテストラインを設置することにより、環境負荷の少ないより上手なモノづくりに取り組める体制が整った。
開所式の後、技術センターを見学し、顕微鏡、熱分析装置などがある解析室やエマルジョンなどのサンプルを作る成形機、ミキサー、ロール機などを見学した。
場所を移し開催された記念祝賀会では、ワッカーケミーAGベルントパハリバイスプレジデントが祝辞を述べた後、奥原真樹代表取締役副社長が乾杯の発声を行い、祝宴に移った。