住友ゴム 新中計 20年までに海外タイヤ7工場建設

2012年10月01日

ゴムタイムス社

 住友ゴム工業は26日、2020年を目標年度とし、“Go for NEXT”を新たなスローガンとする新長期ビジョン「VISION(ビジョン)2020」を発表、都内で池田育嗣社長らが会見した。
 20年までにトルコ新工場を含め、新興国で7拠点を新設し、需要が拡大すると予想される新興国での販売を拡大する。
 本ビジョンでは「高収益・高成長の真のグローバルプレイヤーになる」そして、「ステークホルダーにとっての価値向上と、全社員の幸せを追求する」企業を目指すことを掲げ、その実現に向け、2006年の長期ビジョンのテーマであった「世界一の価値」に、「新市場への挑戦」「飽くなき技術革新」「新分野の創出」といった3つの成長エンジンを原動力とする「新たな挑戦」という要素を加えた。
 数値目標を20年度で売上高を1兆2000億円、内タイヤ事業で1兆円、スポーツ事業で1200億円、産業品・新規事業で800億円、営業利益は1500億円を目指す。利益率は12%以上に引き上げる方針。
 同社ではタイヤの世界総需要は20億本で、全体では年平均4%伸び、特に新興国が大きく伸びると予測。新興国市場で販売拡大を目指し、11年の新興国販売比率を10%から20%に引き上げる方針。
ロシア、インド、アフリカにおいても新工場建設を検討していく。投資額は「年500億から700億になる」(池田社長)見通し。
 新中計では20年には世界18工場体制を構築する方針も示した。販売拠点も7拠点増やし31拠点とする。また、中国においても「需要があれば中国にもう一つ建設する可能性もある」(池田社長)と中国第三の工場についても言及した。
 同社では世界の新車販売は毎年約5%伸び、20年には1億1千万台に到達すると予測。海外市場では、自動車メーカーへタイヤを供給することにより、ブランドバリューアップと市販用ビジネスへの波及効果が期待されるため、海外自動車メーカーへのタイヤ販売比率を12年5%から20年35%へ引き上げる。
 また、中国市場においても13年には2億本、20年には3億本の市場となるとみており、自動車保有台数の増加とともに、市販用市場が更に増加、17年以降も成長維持するとみている。新車用タイヤの拡販、市販用タイヤの販売体制強化、商品の拡充、中国での増産などを行い、中国でのトップクラスの認知度と市場シェア10%以上を目指す。 中国市場の販売比率を11年11%から20年に17%に引き上げる方針。
 農機用タイヤにおいては、日系農機メーカーの現地生産が拡大するなど、農機用タイヤの需要が急速に高まっており、タイ進出をはじめ、農機用タイヤのアジア展開を加速していく。(つづく)

 

会見する池田社長

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