樹脂ホース・パイプの専門メーカー、東拓工業㈱は9月26日、大阪市のリーガロイヤルホテル大阪で創立60周年記念式典を開催した。当日は同社の仕入れ先や取引関係企業の代表ら300人を超す参加者で、会場は祝福ムードで包まれ、盛大な式典となった。
午後2時から受け付けが始まり、式典は2時30分から「ロイヤルホール」でスタート。冒頭あいさつに立った福永誠次社長は別項の通り御礼の言葉を述べ、続けて同社の60年の歩みをスライドを使って、貴重な写真とともに振り返り、最後に抱負を交えて企業理念を紹介した。
来賓あいさつでは、販売代理店を代表して丸高興業の高畠家光敏社長が登壇し、祝辞を述べた。高畠社長は「大勢の先輩諸氏の前で僭越ながら、ご指名ですので一言お祝いの言葉を申し上げます」と前置き、続けて「東拓工業が歩んできた60年の社歴に対しまして、先ずは敬意を表します。市場で求められる製品の開発、販売に注力されてきました。今後も我々(商業者)を引っ張っていいただき、お互いに実りある前進を続けていきたいと願います」などと語った。
長瀬産業の長瀬洋社長は「親会社を代表して御礼の言葉を申し上げます。グループの中核企業である東拓工業が60周年を迎えられたのも本日ご出席いただいている皆様をはじめ関係各位の皆様のおかげです。東拓工業は自社ブランド商品を有する有力メーカーであり、今後も全面的にサポートしていく所存です。新商品も着実に育っており、今後も発展し続けることを確信している。何よりも皆様と緊密に事業展開していくことが肝要で、引き続きご指導ご鞭撻をお願いいたします」などと述べた。
東拓工業は1952(昭和27)年、大阪市に金尾史朗氏が創業、樹脂製品が伸長するとの先見性から押出機を開発、創業当初は塩ビパイプを中心に家庭用雑貨品の製造販売を行い、その後は市場ニーズを先取りしてクリーナーホースやサクションホース、土木排水管事業など領域拡大を図り、現在にいたる。
式典終了後は記念講演会が行われた。芦屋大学客員教授で前読売テレビ報道局解説委員長の辛坊治郎氏が講師となり「ニュースの裏を読む」と題して、最近の政治・経済分野のニュースでは伝えられていないウラ情報や日本経済の今後の見方などを、ジョークを交えて約2時間にわたって熱弁した。
辛坊氏は冒頭「日本の次代を担う総理大臣になるかも知れない自民党の新総裁が決まった日と、東拓工業の記念すべき60周年の式典が重なったことは、何かの縁かなと思う」と述べ、同社の着実で健全なこれまでの発展に敬意を示した。
講演ではネット時代における情報管理の大切さや橋下大阪市長の人柄、大阪維新の会、さらには企業コンプライアンスの真のとらえ方などについて言及、それぞれ具体的事例をあげながら、ユーモアもふんだんに取り入れ、有意義な講演会となった。
講演会終了後は会場を「光琳の間」に移して記念パーティが行われた。乾杯の発声は取引先を代表して、日立アプライアンス㈱の資材部・池田明部長が行った。「東拓工業の60周年を祝して乾杯」と、声高らかにグラスを掲げ、祝宴に入った。会場内では円卓を囲んで談笑が繰り広げられ、宴半ばには数多く寄せられた祝電が披露され、午後6時30分過ぎ、盛会のうち祝賀会は終了した。