住友ゴム タイヤ製造の次世代新工法「NEO‐T01」を開発

2012年10月05日

ゴムタイムス社

 住友ゴム工業は5日、タイヤ製造技術における「超高精度」を追求した次世代新工法「NEO‐T01(ネオ・ティーゼロワン)」を完成したと発表した。
 同社では今後、「NEO‐T01」により高性能タイヤの開発を更に推進する方針。「NEO」は、「NEXT(ネクスト):次世代」、「ELABORATE(エラボレート):精密な」、「ORB(オーブ):球体」の頭文字の組み合わせ。「T」は、「太陽」、「テクノロジー」、「タイヤ」の意を込め、「01」は次世代新工法の「初代」としての位置づけを表現している。
 同社は1913年に国産第一号タイヤを生み出して以来、タイヤ製造技術を日々進化させ続けてきた。1996年には「高精度と高性能の追求」をテーマとし、生産工程の全自動化と設備の小型化を実現した、新工法「太陽」の開発に着手。その後「太陽」は拡大と進化を続け、累計生産本数は現在、3600万本を超えている。同社は100年に渡り、タイヤ製造技術を進化させ続けてきたが、モータリゼーションの進展は今後もとどまる事は無く、タイヤに求められる要求性能はますます高度化していくことが予測される。そのため、「太陽」を超える「超高精度」を実現するための新たな工法開発のプロジェクトを2008年からスタートし、今回、次世代新工法「NEO‐T01」を完成させることとなった。
 「NEO‐T01」で採用したキー技術は「メタルコア工法」「全自動連結コントロール」そして「高剛性構造」の3つ。中でも、「NEO‐T01」の最大の特長ともいえるのが、「メタルコア工法」。従来の工法ではタイヤ成形の際、筒状のドラムを使用し、このドラムに各部材を貼り付け、組み合わせていた。しかし「NEO‐T01」では超高精度を実現するために、実際の仕上がりのタイヤサイズで作られているタイヤ内側の形状をした金属の成形フォーマーにタイヤの各種部材を貼り付けていく同工法を開発した。2つ目のキー技術である「全自動連結コントロール」では、ストリップ部材の生成・加工から、メタルコアへの貼り付けまでの全てを100分の1ミリ単位のコンピュータ制御システムによってコントロールすることにより、それぞれの部材で最適な重量を割り付ける事を可能にした結果、大幅な「軽量化」を実現。3つ目のキー技術である「高剛性構造」では、設計通りのサイズ・形状のメタルコアで成形から加硫までの工程を終えるため、これまで使えなかった強靭な素材を補強部材に採用できる。これにより高速走行時の形状変化を大幅に抑えることに成功。これら3つのキー技術を採用した「NEO‐T01」から生み出されたタイヤは、従来工法比較で「高速ユニフォミティ」70%低減、10%の「軽量化」、そして「高速走行時の形状変化」50%抑制という高性能を実現した。
 「NEO‐T01」の第1弾商品としては、2014年に安全性と快適性、軽量化を高次元でバランスさせた次世代ランフラットタイヤの発売を予定している。

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