㈱ブリヂストンは、「持続可能な」社会の実現に向けたタイヤの将来の形として、「100%サステナブルマテリアル コンセプトタイヤ」をこのほど開発、9月28日、同社東京小平市の技術センターで発表した。
同社が開発したコンセプトタイヤは、2050年を見据えた「100%サステナブルマテリアル化」を初めて具現化したもの。2050年に向け「100%サステナブルマテリアル化」を達成するための高い材料技術の結晶で、持続可能な原材料で構成されている。同社では産学連携の取り組みなどを効果的に行いながら、「天然ゴム」や「有機繊維」は新しい再生可能資源に拡げる取り組みを進め、「合成ゴム」や「カーボン」、「ゴム薬品」などは枯渇資源から再生可能資源に換える取り組みを進めてきた。今後、研究開発体制の確立や基盤技術の開発、量産化の検討を進め、2020年を目標に実用化を判断して行く方針。
「100%サステナブルマテリアル コンセプトタイヤ」を構成する材料は、天然ゴムではパラゴムノキ由来に加え、乾燥地域で育つグアユールで生産地域の多様化を図るほか、補強繊維では従来のレーヨンに加え、汎用パルプからも生産可能で収量が大幅増加する新セルロース繊維を採用。 また、石油由来材料の合成ゴムについてはバイオエタノールからのブタジエン採用のバイオ合成ゴムに、ゴム薬品についてもバイオ材料由来による加硫促進剤・老化防止剤などのバイオゴム薬、充填剤についても植物油脂から高補強カーボンを生成する植物油脂由来充填剤に変更することで枯渇資源から再生可能な資源に変換する再生資源化を推進している。
技術説明に当たった高木光治タイヤ材料開発本部長は「供給面、事業面、環境面のすべての側面で持続可能でなければならない」と述べ、100%サステナブルマテリアル化に向けて「そもそもの原材料使用量を削減すること、資源を循環させ効率よく活用すること。再生可能資源の多様化・拡充という3つの取り組みを推進する。タイヤとしての性能は未知数だが、今後さまざまな特性をうまく融合させ、更に完成度を高めたい」と語った。