ムーンスターは9日、2012年6月期決算(第85期)を発表した。売上高は327億8000万円、前年比1・5%の増収、経常利益は6億9800万円、当期純利益は、千葉市の土地及び建物の売却益を特別利益として計上し、一方で久留米市内の一部土地について減損損失処理を行い、特別損失として計上したことにより、10億2700万円の黒字となった。
85期は前期に引き続き①商品力の向上②ナショナルチェーン&GMSとの取組強化③小売展開の拡大④海外展開の拡大を成長戦略のテーマとし経営基盤を強化。スポーツブランド市場は低迷するも、重点ハウスブランドの牽引により売上高は前年を上回った。
利益面は、調達コスト上昇の一方、高利益率のハウスブランドの拡売、一部販売価格の値上げによる採算改善、ロスの削減等を行い、労務費及び経費も計画通りに推移した結果、経常利益は黒字を維持した。
〈部門別の販売状況〉
布靴は、引き続きスーパースター「バネのチカラ」が好調、キャロットはママコレクション商品の発売で注目を集めるなど、新製品販売は好調に推移。学校用品は、児童、生徒数の減少の中で、積極的な学校開拓を実施することで前年並の実績を確保した。
革靴は重点ハウスブランドの「ワールドマーチ」「スポルス」「カロリーウオークプラス」を中心とした拡売を進め、重点得意先の売場拡大のための販促企画等の対策を実施したが、前年比1・4%減となった。
MSブランド商品群は、スポーツブランド市場の低迷を受けて売上げが伸び悩み、前年を下回った。 コンバース商品も、同様に市場の低迷を受け前年を下回ったが、キャンバスオールスターコアカラーは復調傾向。ニューバランス商品はPFフライヤーズ商品の拡売と共にニューバランス社との連携を強化して売上確保に努め、前年を上回った。 同社は4ヵ年の新中期経営計画を84期からスタートし、2年目である今年も前年に続き利益を確保することができたが、前期に比べ在庫が増加し、課題が残った。来期も事業再構築のテーマである「選択と集中」「コスト削減」を継続して実施、在庫の適正化を最重点課題として取組み、利益体質への転換を図る。
2012年10月15日