ＳＡＢＩＣ　アルバックと共同で量産用プラズマ成膜装置を開発

　ＳＡＢＩＣイノベーティブプラスチックス（以下ＳＡＢＩＣ）とアルバックは11日、自動車用樹脂ガラス（ポリカーボネート／ＰＣ）部品の量産用プラズマ成膜装置「ＵＬＧＬＡＺＥシステム」を発表した。
　同装置はアルバック茅ヶ崎本社工場にて製造され、二社の２年間に渡る共同作業の一環として開発された。
　ＳＡＢＩＣのＬＥＸＡＮ樹脂製品とＥＸＡＴＥＣプラズマ成膜用に最適化された同成膜装置は軽量で、且つ耐久性があり、空力特性を向上させる樹脂ガラス部品（リアクォーターおよびサイドウインドー、リアウインドー、リアスポイラー、サンルーフ等）の製造を可能にし、自動車の耐用年数を通して優れた物理的性能と美しい外観を提供する。
　「ＥＸＡＴＥＣプラズマ成膜技術を研究した結果、処理時間および性能に対する大きな利点があるということが分かりました。その上、ＰＣ樹脂ガラス製造に使用される他のプラズマ成膜技術と比べてＥＸＡＴＥＣプラズマ成膜技術には最低３０倍の処理速度があることが分かりました。また、プロセスおよびプラズマ成膜技術はＵＬＧＬＡＺＥ装置の開発設計を通して検証されました。ＳＡＢＩＣの成膜技術に様々な自動車用部品製造装置に関するアルバックが持つ幅広い経験を組み合わせることで、高い生産性と信頼性を提供するシステム開発が実現しました。」とアルバック代表取締役執行役員社長の小日向久治氏は述べている。
　ＳＡＢＩＣ、オートモティブＰＣグレージングユニット、リードエグゼクティブのアマンダ・ローブル氏は、「この量産成膜技術の発表により、ＰＣ樹脂ガラスは自動車デザインにおいてさらに大きな役割を果たすことができるようになり、燃料効率の向上、排気ガス放出の削減、および走行距離の拡大に対してさらに大きく貢献します。この装置により、自動車メーカーはＰＣ樹脂ガラス技術を最大限に活かす事により、他のパーツと部品統合することが可能となります。この勢いを加速するために、ＳＡＢＩＣとアルバックは共同作業を継続してプラズマ成膜されたＬＥＸＡＮ樹脂製自動車樹脂ガラス部品を作るために研究開発に投資を行い、この装置とプロセスをさらに改善する予定です」。とコメントした。
　この新しい大量生産技術は、高速低温成膜、連続成膜プロセス、様々なサイズおよび形状の部品を成膜する能力、ＬＥＸＡＮ樹脂の優れた耐衝撃性、ＥＸＡＴＥＣプラズマ成膜技術の優れた耐候性および耐摩耗性という３つの先進的技術に基づいて開発されている。
　同装置は、自動車部品の樹脂ガラス製造に加え、家電製品用ディスプレイ（タッチパネル、モニターガラス等）および電子部品、半導体および太陽電池部材への応用にも適している。