上期のホース生産は順調に推移
中国市場の低迷を危惧 油圧ホース需要大幅にダウン
日本ゴムホース工業会まとめによる本年7月のゴムホース生産、出荷実績は、生産量(新ゴム量)が3181㌧、前年同月比0・3%増となり、8ヵ月連続で伸長、出荷金額は120億6700万円、同2・8%増と12ヵ月連続で増加するなど、順調に推移している。
品目別にみると、主力の自動車用ホースの生産量は2255㌧、同4・5%増、出荷金額は93億3300万円、同5・7%増と、生産・出荷ともに8ヵ月連続で増加した。昨年の震災並びにタイ洪水から自動車生産が著しくダウンしたが、本年に入り復旧、年初から順調な生産が続いており、ホースの出荷も堅調な推移を示した。
高圧用ホースは生産量が348㌧、同5・9%減と低迷し、出荷金額は12億9800万円、同6・4%減となった。中国の景気減速で日系建機メーカーの生産が大きく落ち込んでいることが主要因で、油圧ホースの先行きは不透明感が強まりつつある。
その他用ホースの生産量は578㌧、同10・4%減、出荷金額は14億3600万円、同6・3%減となった。
以上の結果、本年1―7月期のゴムホース生産量は2万2393㌧、前年同期比13・7%増と2ケタ伸長、出荷金額は859億5900万円で同19・5%増とほぼ2割の伸びとなった。品種別生産実績は、自動車用が1万5486㌧、前年同期比22・8%増、出荷金額は653億1400万円、同26・4%増、高圧用は生産量が2417㌧、同4・0%減、出荷金額は92億6400万円、同4・9%減、その他用の生産量は4490㌧、同1・5%減、出荷金額は113億8300万円、同7・9%増となった。
昨年の震災やタイの洪水による供給制約が解消した反面、欧州の債務危機や円高を背景に輸出製品が鈍っていることに加え、東北地域の復興を支えに景気の回復が期待されるが、力強い浮揚には課題も多く、下期のホース需要は力強さに欠け、先行き不透明感が強まっている。
こうした中で、日本ゴムホース工業会では2012年年間のゴムホース生産量については3万9140㌧、前年比9・8%増とほぼ1割の伸びを予想、出荷金額は1460億円で同9・9%増を見込んでいる。
一方、ゴム・樹脂ホースアセンブリの需給状況については「会員17社の上期の需給実績は、産業用ゴムホースが合計で219億9300万円、前年同期比3%増、自動車用ゴムホースは67億2700万円、同17%増、樹脂ホースアセンブリは35億600万円で同12%増となり、付属金具販売を含めた全体では345億9000万円、同5%増となった」(日本ホース金具工業会)としており、上期は順調な推移となったが、中国の景気低迷を背景に7月以降は建機生産が大幅に落ち込み、油圧ホース需要も厳しい環境となっており、油圧ホースメーカーは「年度内は低迷状態が続き、回復に移るのは早くても新年度以降になるのでは」としている。
~需要業界の動き~
自動車
日本自動車工業会はこのほど8月の四輪車生産台数実績をまとめた。それによると生産台数は73万5999台、前年同月比4・5%増となり、11ヵ月連続で前年同月を上回った。乗用車は63万4772台、同5・0%増で11ヵ月連続のプラス。普通車は33万9477台、同4・3%減、小型四輪車は17万9809台、同12・6%増、軽四輪車は11万5486台、同28・5%増となった。
トラックの生産台数は9万2230台、同2・5%増で11ヵ月連続のプラス。このうち普通車は4万3875台、同6・3%増、小型四輪車は2万1543台、同1・1%増、軽四輪車は2万6812台、同11・4%減。
バスは8997台、同8・3%減少となり、3ヵ月連続のマイナス。このうち大型は831台、同0・4%減、小型は8166台、同9・1%減。
8月の国内需要は37万777台、前年同月比12・4%増となった。
この結果、1~8月の生産累計は690万6649台、前年同期比40・3%増と大幅なプラスを確保している。
建設機械
日本建設機械工業会はこのほど本年8月の建設機械出荷金額をまとめたが、それによると内需は594億円で前年同月比13・7%増と順調な伸びを示したが、外需は1055億円、同16・2%減となり、総合計では1649億円、同7・5%減となった。内需は17ヵ月連続の増加であるが、外需は3ヵ月連続の減少となり、総合計では2ヵ月振りの減少となった。
〈内需〉
機種別に見ると、トラクタ(50・3%増)、油圧ショベル(29・3%増)、ミニショベル(11・6%増)、道路機械(66・4%増)、コンクリート機械(54・1増)、基礎機械(12・6%増)の6機種と補給部品(8・0%増)が増加し、内需全体では13・7%増となった。
〈外需〉
機種別に見ると、ミニショベル(2・6%増)、コンクリート機械(228・8%増)、基礎機械(2323・8%増)、油圧ブレーカ・圧砕機(7・8%増)の4機種が増加したが、他の6機種と補給部品が減少した。
地域別に見ると、北米が28ヵ月連続で増加、アフリカが3ヵ月連続で増加したものの、中国を筆頭に全9地域中7地域で減少した。
(2012年10月15日紙面掲載)