SABIC 鉄道車両の内装向けLEXANシート2種を新開発

2012年10月24日

ゴムタイムス社

 SABICは24日、鉄道車両内装の防火性能における新たな欧州基準の発効を前に、2種の新しいLEXANシート製品を発表した。
 新製品は近く発効されるCEN/TS(欧州標準化委員会/技術仕様書)45545基準に準拠した「LEXAN H6500シート(PC/ABS)」と、独DIN基準に準拠した「LEXAN H6200シート(PC/ABS)」。これらは鉄道業界の顧客が高まる環境性能への要求に応えられるよう、また非塩素系および非臭素系の難燃性を備えた高度な熱可塑性樹脂ソリューションによって鉄道内装アプリケーションの設計および開発を促進できるよう開発された製品。
 同社スペシャルティフィルム&シート部門ゼネラル・マネージャーのジャック・ゴーバース氏は「新しい防火性能基準に準拠するため、鉄道業界のお客様は基準に準拠していない熱可塑性樹脂を、従来の金属や性能の低い熱硬化性樹脂に置き換えなければならないという、極めて厳しい選択を迫られていました。しかしそれは、熱可塑性樹脂が提供していた高い設計自由度や軽量性、システムコストの低減といったメリットを犠牲にすることを意味していました。当社の新しいLEXANシート製品は、お客様の求める高い性能を新基準の発効に先駆けて提供できることから、これらの課題に対処できる最適な代替材料といえます。この新製品は、お客様が鉄道業界の要件を満たしビジネス目標を達成できるよう支援するSABICの専門技術やサービスを示す好例です。」とコメントしている。
 LEXAN H6500シートは不透明で強靭、低光沢なPC/ABSブレンドであり、鉄道車両の側壁やテーブルおよび座席用途に高い剛性を提供する。また非塩素系および非臭素系の環境に配慮した難燃性能は、特定有害物質使用制限(RoHS)指令の要求を満たしている。同製品はCEN/TS 45545基準のR6用途(座席)に加え、仏NF F16―101 M1F1基準(2~4mm厚)など現行の欧州基準にも準拠している。さらに、従来のPC樹脂よりも低い温度で熱成形が可能で、その着色性能によって2次着色のコストと環境有害性を回避し、優れた外観を提供する。
 LEXAN H6200シートは独DIN 5510基準のS3 SR2 ST2(3mm厚)およびS4 SR2 ST2(4mm厚)に準拠し、さほど多くの要件が求められないクラッディング(被覆)などの用途では優れたコスト性能を提供する。さらに同製品は低温環境下での衝撃性能に優れ(―20℃での延性)、良好な着色性を示す上、標準のPC樹脂よりも低温での熱成形が可能。
 金属や熱硬化性樹脂およびガラスと比較して、2種の新製品は部品統合による生産の合理化に加え、着色やコーティング、切削や研磨などの2次加工が不要となり、また重量軽減による輸送費削減などから、大幅なシステムコスト低減に貢献する。

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