産業用ホースを新興国で 13年度に新生産拠点設置
東海ゴム工業
東海ゴム工業㈱の産業用ホース事業の本年度上期(4―9月)の業況は、国内は東北地域のガレキ 処理など復興関連で油圧ショベルやダンプカーなどの高い稼動を背景に2ケタ増を維持したが、海外需要はインドネシアや北米は回復基調ながら中国市場が低迷し、販売額は約54億円で前年同期比10%増と1割の伸びにとどまった。「原発事故関連では除染作業が全体的に遅れ気味で推移しているようだが、部品メーカーとして社会貢献を続けていきたい」(同社)とする。
布巻ホースは内需中心の販売を行っているが、公共投資の回復には至らず、拡販展開を進めたが上期は5%程度の減収となった。
足元の状況については「ステークホルダーに対する責任からも事業として増収増益を目指すが、産業用ホースはどうしても建機メーカーの生産動向に左右される。中国情勢が不安視され、資源開発需要も下期は大幅に落ち、鉱山機械などの稼動がダウンすることが予想されるなど、大変厳しい事業環境となる。とくに中国市場は年度内の回復は難しいと思われる」(同社)と厳しい見方だ。
こうした中で、産業用ホースの販売戦略については、国内は復興需要への適切な対応を図る一方で、拡大が予想される海外市場に注力する。
国内は、ニーズに見合った製品開発を進め、即納体制などサービス面を強化、より一層ユーザーとの信頼関係を高め、受注増大を図る。海外は、地産地消をキーワードに、13年度をめどに新興国での新たな生産拠点を設置する計画。「グローバル展開を図るうえで、今後重要だと認識していることは販売ネットワークの構築。日系商社を主軸に、優秀なローカル代理店などと提携し、強固な販売網を確立することが課題」(同社) としている。
(2012年10月29日紙面掲載)