三井造船株式会社(加藤泰彦社長)は25日、クラレが米国テキサス州に建設予定のポバール樹脂生産設備の新設に関わる先行設計業務を受注したと発表した。
同生産設備はクラレの米国現地法人Kuraray America Inc.が建設を予定している。
同社は、今回の受注に至った背景は、クラレのシンガポール現地法人(現Kuraray Asia Pacific Pte. Ltd)向けのポバール樹脂生産設備建設における設計・機材調達・施工の実績や、今回の競争入札時における提案が評価されたものとしている。
先行設計業務は米国の同社100%子会社であるEngineers and Constructors International, Inc.(eci)を活用し、ポバール樹脂生産設備の設計・機材調達・施工の最適化を図る。
今回の新設計画は、クラレグループのコア事業のひとつである酢酸ビニル・ポバール系事業の世界戦略の一環であり、シェールガス等による原燃料メリットがある北米に新たな生産拠点として建設するもの。今回の計画は、年産能力4万トンのポバール生産設備を建設するものであり、2014年9月末に設備が完工予定。製品のポバールは、ビニロン繊維の原料やフィルムの原料、繊維加工剤、接着剤などの幅広い用途に向けられており、近年は自動車のフロントガラス用中間膜原料、インクジェット用紙等の情報用紙の加工剤、刷版材などの新しい用途にも使用されている。
現在、昨今のシェールガス開発に端を発する北米石油化学プラントの建設投資動向が注目を集めており、石油化学プラントの建設実績を有している同社は、今後も米国子会社であるEngineers and Constructors International, Inc.(eci)を最大限活用、北米内での受注活動を積極的に展開していくとしている。
2012年10月26日