日本ゴム工業会 第300回理事会を大阪で開催

2012年10月29日

ゴムタイムス社

CO2削減 11年度は震災影響で悪化

  日本ゴム工業会は10月26日、午前10時半からホテル阪急インターナショナル(6階瑞島の間)で第300回理事会を開催した。(詳報次号に掲載)

 当日は同会の今後の運営及び東部ゴム厚生年金基金の現状と対応について非公開で審議した後、環境、労務、安全衛生の各委員会から、平成23年度会員企業の経営指数調査など各種調査の結果概要が報告された。
環境委員会からは①地球温暖化対策(CO2削減)②廃棄物最終処分量の削減についての自主行動計画における2011年度の進捗状況が報告された。地球温暖化対策における自主行動計画のフォローアップ調査結果によると、2011年度は新ゴム生産量が143万1000㌧、1990年度対比11%増、10年度対比1%増加した。CO2排出量は187・5万㌧となり、震災後の原発停止の影響により、購入電力の排出係数が大幅に悪化し、90年度対比24・1%増、10年度対比23・6%増となった。こうした状況の中、各社において継続的なCO2の排出抑制への取り組み(コジェネ等の積極的な稼動、CO2排出量が少ない燃料への転換、省エネ等)が着実に進められた結果、CO2排出量は1990年度比5・1%減となり、10年度比17・1%増となった。
 また、日本ゴム工業会では「環境に関する自主行動計画」を制定しており、ゴム製品工場から発生する廃棄物について、減量化、再資源化、適正処理を推進し、最終処分量を2001年度の実績をベースに、2015年度までに90%以上削減する目標を掲げているが、2011年度の新ゴム消費量は143万6000㌧、前年度比0・5%の微増となった。このうち廃棄物発生量は21万967㌧、前年度比横ばいと昨年度と同水準となった。最終処分量は8920㌧で、震災の影響を受け、大幅な増加となったが、その影響を除いた場合は1290㌧、2001年度比97・3%減となった。同委員会では11年度は東日本大震災の影響を受けた形となり、今後も影響が懸念されるが、リサイクル委託先の復旧や新たな業者の開拓等に努め、引き続き、廃棄物削減並びに最終処分量の削減活動に取り組んでいくとしている。

若年層の精神障害休業が顕著に

 また、従業員の疾病による休業状況に関する統計資料を作成することにより、会員相互の衛生管理として役立てることを目的とした23回疾病休業状況調査結果が安全衛生委員会から報告されたが、11年度は延所定労働日数、延実労働時間数が前年度に比べ減少した。疾病分類別休業件数では精神障害による休業がもっとも多く、とくに20代から40代にかけての休業が目立っている。

1~8月計 ゴム製品生産は微減

 日本ゴム工業会がこのほどまとめた2012年1~8月累計のゴム製品生産実績(新ゴム量)は93万8068㌧、前年同期比99・9%の微減となったが前年同期実績を下回った。主力の自動車タイヤの生産が5月以降落ち込み、以降4か月連続で自動車タイヤ及び全体の実績は前年を下回っている。非タイヤ部門も8月は同0・9%減となり8か月ぶりにマイナスとなった。1~8月の国内自動車生産はエコカー補助金、さらに3月以降は前年の水準が震災の影響で低かったたため、引き続き前年を上回る状況が続いているが、伸び率は縮小(8月は前年同月比4%増と一ケタ増)してきた。
 一方、1~8月類累計の出荷金額はゴム底布靴のみ前年実績を下回ったが、全体で1兆5189億円、前年同期比105・9%と依然前年実績を上回り、生産量を6ポイント上回っている。

 

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