クラレ・クレハ合弁会社 LiB向け植物系ハードカーボン生産設備を新設

2012年11月01日

ゴムタイムス社

 クラレは10月31日、合弁会社バイオハードカーボン(岩脇伸夫社長)がリチウムイオン二次電池(以下、「LiB」)向け植物系ハードカーボンの生産設備の新設を決定したと発表した。同社はクラレケミカル(岩脇伸夫社長)とクレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン(中谷秀雄社長、以下「KBMJ」)が8月22日に共同で設立した合弁会社。
 新設備は岡山県備前市鶴海4342番地のクラレケミカル鶴海工場敷地内に新設される。生産能力は第一期年産1000トン、稼働時期は2013年10月を予定。設備投資額は約30億円。
 LiB市場は携帯電話やノートパソコンなどの民生用を中心に拡大してきたが、今後はハイブリッド車・電気自動車などの車載用市場の急速な拡大が見込まれている。主に民生用LiB向け負極材として使用されてきた黒鉛に比べ、耐久性や充放電特性に優れ車載用LiB向け負極材として適した石油ピッチ系ハードカーボンの製造技術をクレハ・グループが保有。KBMJが現在販売している石油ピッチ系ハードカーボンに加え、クレハ・グループと植物原料精製技術を保有するクラレ・グループが共同で開発した新規植物系ハードカーボンをKBMJが市場拡大の見込まれる車載分野を中心に展開する。将来の布石となる年産1000トンのセミコマーシャルプラント生産品を通じて、ユーザー認証、市場開発を加速していく。
 生産設備は車載用ハードカーボン系負極材の市場拡大にあわせ、さらに増強予定。
〈バイオハードカーボンの概要〉
▽代表者=岩脇伸夫氏(クラレケミカル代表取締役社長)
▽資本金=1億円(クラレケミカル50%、KBMJ50%)
▽設立日=2012年8月22日
▽事業内容=LiB用植物系ハードカーボンの製造
▽本社・工場所在地=岡山県備前市鶴海4342番地(クラレケミカル鶴海工場敷地内)

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