日本ゼオン(古河直純社長)は5日、福井県敦賀市に斜め延伸位相差フィルムの新工場建設を決定したと発表した。
同社は世界初の「斜め延伸位相差フィルム」を独自の技術で開発・生産しており、中小型液晶製品向けの視野角改善や光反射防止フィルムとして採用が拡大してきている。液晶3Dテレビの画像認識改善用フィルムや有機ELの光反射防止フィルムとしての採用も進み、順調に販売量を伸ばしており、今後も中小型用FPD(フラットパネルディスプレイ)向けの更なる需要の拡大が見込まれることから設備の増設を決定した。
建設予定地の決定にあたっては、BCP(事業継続計画)の観点から富山県外の拠点を検討してきたが、福井県・敦賀市の熱心な誘致活動や、主要ユーザーと富山県の同社拠点との利便性などを考慮した。現在、斜め延伸位相差フィルムの生産設備は、富山県の高岡市と氷見市の2工場合計で1500万㎡/年の生産能力を有している。
新工場は敦賀市産業団地の用地約3万㎡に建設し、2014年3月の完成を目指す。既設の富山県氷見市の工場にも付帯設備を導入し、投資額は総額約70億円を計画している。
〈新工場の概要〉
▽所在地=福井県敦賀市莇生野
▽敷地面積=約30000㎡
▽生産能力=約1000万㎡/年
2012年11月07日