BASF 上海にイノベーション・ハブを新設

2012年11月07日

ゴムタイムス社

 独BASFは6日、上海浦東(プドン)地区の拠点を拡張し、「BASFイノベーション・キャンパス・アジア・パシフィック」を同日開設したと発表した。投資総額は5500万ユーロ。
 また、BASFグレーター・チャイナ本社を新設し、同拠点に移転した。最終的には従業員数は2500人以上となる予定で、ドイツ以外では同社最大の拠点となる。
 同社の取締役会副会長、アジア太平洋地域担当取締役のDr.マーティン・ブルーダーミュラーは「アジア太平洋地域における持続可能な開発という課題において、化学がイノベーションを実現する重要な役割を果たします。BASFは、科学者や技術者、ビジネスパートナー、そして、お客様と密接に協力しながら、アジア発のイノベーションを世界に向けて発信していきます。2020年には、世界における研究開発部門の人員の約25%をアジア太平洋地域に集約する予定です」と述べている。なお、2011年末時点でアジア太平洋地域の研究開発に携わる従業員の数は800人を上回る。また、同社取締役兼リサーチ・エグゼクティブ・ディレクター、Dr.アンドレアス・クライマイヤーは「BASFイノベーション・キャンパス・アジア・パシフィックは、お客様、優秀な人材、イノベーションセンターに近い立地という点で中心的な役割を果たします。私たちBASF社員の情熱と科学を追求する精神は、BASFのフェアブント(統合生産拠点)がある他の地域にも広がり、アジアにおけるサイエンスネットワーク拡大の基礎になると確信しています。」とコメントしている。
 同新施設には17の地域のビジネスユニットから技術部門に所属する約450人の研究開発者が集結し、アジア太平洋地域におけるBASFの強力なイノベーション・ハブとなる。また、イノベーション・キャンパスでは地域の科学技術部門の人材開発の強化と、アジア太平洋地域の大学や科学機関との連携も促進。今後の施設のさらなる拡張も予定している。
 浦東拠点では、研究開発者は最先端の素材と持続可能なソリューションに注力していく。さらに、優れた分析力を持ち、材料物理学に強いチームが研究開発活動を推進する。
 BASFグレーター・チャイナ取締役会会長、ジョニー・クワンは「上海浦東拠点の総合的な拡張は、BASFグレーター・チャイナ、さらに言えばBASFの上海における歴史の中で重要な1ページとなります。当社の最大の統合拠点のひとつである浦東拠点は、BASFの社員とお客様との連携を実現する鍵となるでしょう。さらに、近隣の地域社会と密接に協力することで、国際的なイノベーション・ハブとしての上海の発展に寄与していきます」としている。
 同社にとって中国は世界で3番目に大きな市場。新設されたグレーター・チャイナ本社のオフィスには管理や業務部門、セールス、マーケティングなどのビジネスユニットが設置され、1500か所以上のワークステーション、快適な交流エリア、多目的シアターが設置される。

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