コンチネンタル 全自動ブレーキ性能屋内試験場を公開

2012年11月15日

ゴムタイムス社

 独コンチネンタルタイヤは15日、全自動ブレーキ性能屋内試験場「AIBA(Automated Indoor Braking Analyzer)」を公開した。
 この設備によって、コンチネンタルタイヤは乗用車、SUVおよびバン用夏、冬タイヤの試験技術において大きく前進したことになる。
 新しい試験場は、全長300メートル、最大幅30メートルで、ハノーバーから程近いプルービンググラウンド「コンチドローム」内に建設された。試験は全自動工程で、無人試験車輌は120km/hまで加速し、試験路面上でブレーキをかける。試験路面はウエット路、ドライ路があり、路面の交換が可能。さらに氷上試験用に、従来方式を用いた専用アイスリンクも設置している。これらの設備により同社は、天候条件に左右されず1年を通して同一試験場内で全てのブレーキ性能試験を行うことができる。
 同試験場には100%稼働した場合、年間約10万回のブレーキ性能試験を行えるキャパシティがあり、昨秋に着工して以降建設が行われていた。
 ブレーキ性能試験は、路面温度を規定値に厳密に管理された、油圧駆動で路面の交換が可能な試験路を使って行う。これまで、試験者は屋外のテストコースで気温や風などの変化しやすい気象条件にさらされながら試験を行わなければならなかったが、AIBAでは、空調管理された室内で摩擦係数を一定に保った試験路で1年中試験を行うことができる。「従来の方法では、試験車輌はレールに沿って誘導され、試験者はABS(アンチロック・ブレーキ・システム)作動中でもブレーキをかけなければなりませんでした。コンチドロームの冬は気温が低く、ブレーキ性能試験を行うのは不可能です。試験者の反応力や力加減によって試験結果に若干のひずみがでたり、気温や路面の温度がデータにばらつきを生じさせたりしました。これからは、このようなシステム関連の干渉を完全に回避することができます」と乗用車、小型トラックの研究開発責任者であるデービッド・オドンネル氏は述べている。

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