東海カーボンの12月期第3四半期連結決算は、売上高758億5100万円、前年同期比5・3%減、営業利益54億5100万円、同36・1%減、経常利益56億5300万円、同29・5%減の減収減益となった。四半期純利益は34億1500万円で同24・9%減となった。
カーボンブラック事業は、震災やタイ洪水による自動車生産の減産は回復したものの世界景気の減速などにより、タイヤ生産が減少基調をたどったことから需要は国内外とも弱含みで推移した。
震災により操業を停止していた石巻工場は昨年末、一部操業を再開し、今年6月には全面的に生産を開始したが、カーボンブラック販売数量は前年同期を下回った。また、販売価格は原料油価格の上昇に対する改定を実施した。
以上の結果、同事業部門の売上高は314億2100万円、同3・1%増と増収となったが、販売数量減や石巻工場の操業再開に伴う減価償却費の増加などにより、営業利益は39億3500万円、同12・4%減となった。
ファインカーボンは、昨年後半から不振が続いていた半導体用の販売が今年に入りスマートフォン向けなどに新規需要増がみられたものの、従来用途のパソコン向けが伸び悩み、低調に推移した。中国、韓国を中心に好調だった太陽電池用も大幅な需要減により大きく落ち込んだ。この結果、円高による売上高目減りの影響も受け、ファインカーボンの売上高は108億1600万円、同25・6%減となった。
通期の連結業績は、売上高1070億円、前期比2・0%増、営業利益77億円、同26・4%減、経常利益80億円、同20・8%減、当期純利益48億円、同21・6%減を予想している。