積水化学 インドネシアで車両用射出成型品の製造・販売会社設立

2012年11月16日

ゴムタイムス社

 積水化学工業(根岸修史代表取締役社長、以下積水化学)は15日、同社とインドネシアの射出成型品製造・販売会社が車輌用途の射出成型品の製造・販売を行う合弁会社を設立することに合意したと発表した。
 新会社は積水化学とアディヤウィンサ ディナミカ社(以下ADW社)により、インドネシアの西ジャワ州ブカシ市に積水化学51%、ADW社49%の持ち分比率で設立される予定。
 同社グループにおいて、今回のインドネシアへの進出は昨年設立した販売会社セキスイ インドネシアに続くもので、事業会社としては初。
 なお、同社グループにおける事業主体は100%子会社である積水テクノ成型(出原幹也代表取締役社長、以下テクノ成型)が担当する。
 インドネシアは経済成長が著しく、2010年に国民一人当たりGDPが3000ドルを超え、モータリゼーションの加速が見込まれている。現地での日系車輌メーカーのシェアは90%以上であり、日系部品メーカーの進出も期待されている。
 テクノ成型の射出成型事業は、積水化学高機能プラスチックスカンパニー(松永隆善プレジデント)の戦略事業分野である車両分野における主力事業の一つ。同事業では国内の車輌メーカーとの関係強化を進め、製品の企画・設計段階から協業し、射出成形に関わるコア技術で、メーカーからの高品質化や軽量化などのニーズにスピーディーに対応してきた。さらに、同事業では世界経済をけん引する新興国市場においても事業拡大を目指しており、昨年8月のインドでの事業会社設立に続き、今回インドネシアに進出することを決定した。
 一方ADW社は射出成型品の製造・販売会社として、家電および一部の車輌部品分野で実績があるが、今後車輌部品分野への本格的な参入を計画している。
 合弁会社設立の狙いとしては、インドネシアにおいて車輌メーカーとの取引を拡大し、同国での射出成型事業の事業基盤を確立すること、積水化学およびテクノ成型の製品・技術・設計の強みを活用し、競争優位に立つこと、ADW社の現地における生産・販売の実績に、品質や技術に対する日系車輌メーカーからテクノ成型への信頼を加え、日系車輌メーカーを中心にインドネシアでの事業基盤を築き上げること、テクノ成型が保有する軽量化貢献製品(金属代替製品、発泡成形製品)やインサート成形技術、金型設計技術とADW社の金属プレス技術を融合し、技術シナジーを活かし市場参入すること、などが挙げられている。
 事業目標として、2013年4月に生産・販売を開始し、2015年度には売上高30億円を目指す。
〈合弁会社の概要〉
▽会社名=PT ADYAWINSA SEKISUI TECHNO MOLDING(アディヤウィンサ セキスイ テクノ モールディング)
▽出資比率=積水化学51%、ADW社49%
▽設立=2013年1月1日(予定)
▽事業内容=射出成型品の製造・販売(車輌部品分野)
▽所在地=インドネシア西ジャワ州ブカシ市南チカラング地域デルタシリコン工業団地
▽従業員=約130名

デルタシリコン工業団地内の工場

デルタシリコン工業団地内の工場

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