三ツ星ベルト インド新工場が本格稼働 海外拠点のリスクを分散

2012年11月19日

ゴムタイムス社

    三ツ星ベルト㈱の自動車用伝動ベルトのインド新工場(マハラシュトラ州、資本金約8億円)が本格稼働を開始し、今期2億円の売上高を見込んでいる。
 インド新工場は、同社綾部生産システム開発センターで開発した新生産方式を採用し、面積が従来の約3分の1程度となる画期的でコンパクトな工場で、少人数で高品質なベルトの生産を可能とした。インド市場での伝動ベルトの需要は今後も大きく伸びるものと見込まれており、5年後には5億円から10億円の売上を見込んでいる。同社では今後、この全く新しい生産方式を、インドをはじめ全世界へ展開して行く方針。
 海外ベルトの売上高は同社の2013年3月期中間決算によると、102億9600万円、前年同期比2・5%増となり、通期予想でも年間で202億円、同2%増の伸びを見込んでいる。海外市場は欧州が減少、アジアではユーザーの在庫調整で一般産業用が減少したものの、自動車用、OA機器用が堅調推移したほか、米国でも自動車用、一般産業用が増加した。
 中国の蘇州工場は反日暴動の影響で一日休業したが、安定供給を続けており、日系カーメーカーが中国での減産により、タイ、インドネシアでのリカバリー増産を進めており、アジア全体での需要は落ち込んでいないとしている。
 しかし、海外ベルトの営業利益は原材料価格の高騰、アジアでの人件費の高騰、為替差損の影響により前年同期比49・6%減の4億3200万円の減益となった。
 人件費の高騰は中国、インドネシアで30%前後のアップ率となっており、このため同社では海外拠点のリスク分散を図るとともに、安定供給の維持を図るため年間設備投資計画21億円の7割を海外拠点に投入、タイ、インドネシアでの生産能力増強を進めている。現在、海外売上高比率は37・7%だが、2013年度中にも40%まで高める計画でいる。

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