旭硝子㈱(石村和彦社長)は18日、半導体チップの薄型化工程であるバック・グラインドに使用するガラス製研磨基板の販売を開始すると発表した。 同製品は高性能で薄い半導体の製造に不可欠な部材として、スマートフォンなどのモバイル端末の高機能化、薄型化に役立つ。同社エレクトロニクスで生産を開始し、2014年には100億円に拡大するとみられる市場でシェア50%獲得を目指す。
モバイル端末に使われる半導体は、半導体チップを垂直に積み重ねて性能を向上させるため、チップ自体をより薄くすることが求められ、この薄型の半導体チップは、シリコンウエハをバック・グラインド基板(BG基板)と呼ばれるガラス基板で支持し、50μm程度まで研磨(グラインド)することで製造される。さらに研磨後に高温処理を行うため、ウエハとBG基板の熱膨張率の違いによる反りを抑制することが課題となっている。
同社はフォトマスクなどの半導体関連製品向けに培った高度な研磨、洗浄並びに検査技術により、シリコンに非常に近い低膨張の特殊ガラスに対して顧客が求める精密な面内加工を施し、BG基板として提供を開始した。
特徴は以下の通り。
・熱膨張率は競合製品の中でシリコンと最も近いレベルを実現
・高度な研磨技術により、優れた面内板厚均質性(TTV:1μm未満)を他社に先駆けて達成
・半導体の洗浄技術を応用し、欠点密度に関する厳しい客先要求をクリア
同社はガラス材料設計・製造から研磨などの高精度加工まで、電子・ディスプレイ分野で培った技術を活かし、最先端のエレクトロニクス機器に対し、素材から製造工程用部材にいたるトータルソリューションの提供を注力していく。