合成ゴム、化学メーカーの3月期中間決算が出そろった。各社の決算から合成ゴムの需給動向を見てみる。
JSRは国内タイヤ生産が低調に推移したため 、自動車タイヤ向けの汎用合成ゴム販売が落ち込んだが、価格改定により、売上高は前年同期並みとなった。EPDMは国内自動車生産の回復により増加、輸出はS-SBRが大きく伸びた。
日本ゼオンは国内自動車生産が堅調に推移したことや、タイヤの堅調な需要があったものの、世界経済減速の影響や海外市況の低下などの影響が大きく響いた。
三井化学の自動車部品及び樹脂用途を中心とするエラストマーは欧州の財政危機及び中国の景気拡大鈍化の影響を受けたものの、用途開発、市場シェアの拡大で売高が堅調に推移。
旭化成のポリマー系事業は、自動車向けエンジニアリング樹脂やタイヤ向け合成ゴムが好調に推移した。宇部興産のポリブタジエン(合成ゴム)は中国需要低迷の影響を受け、出荷は前年同期を下回った。住友化学も海外市況の低迷や国内外の需要減少により、シンガポールや国内の石油化学品および合成樹脂の販売は減少した。