バイエル社デッカーズ社長が来日会見 日本市場で積極攻勢

2012年12月03日

ゴムタイムス社

 ドイツ・バイエル社のマライン・デッカーズ社長ら同社経営陣が来日し11月22日、都内のパレスホテルで日本市場における事業戦略などについて記者会見を開いた。
 会見にはデッカーズ社長のほかヴォルフガング・プリシュケバイエル社経営委員会委員、日本バイエル代表のハンスディーター・ハウスナー氏の3名が出席した。
 デッカーズ社長は冒頭、12年第3四半期決算の概要に触れ「ヘルスケア商品群などの好調に下支えされ、農薬関連も拡大を継続し、ライフサイエンス事業は上昇傾向で推移、素材科学事業は販売量増加と業務効率改善によるコスト削減などで売上げは好調に推移した」などと述べ、12年通期は今年7月に引き上げた業績予想をクリアできる見通しであると語った。
 日本市場はバイエルにとって今後も重要な市場の1つであると指摘した。日本での売上高はドイツ以外では3番目の水準で、全事業グループのビジネスにおいて今後も成長が期待できる確固たる市場であること。さらに、革新的な製品に対する高い評価や環境・安全性に対する高い意識であることなどを強調した。「日本市場において、13年から17年までの5年間で合計5億ユーロの投資を実施する」(デッカーズ社長)。
 素材科学事業の第3四半期の売上高は29億9200万ユーロ、前年同期比8・1%増となった。欧州の販売量は横ばいであったが、その他地域が大幅に増加した。アジア・太平洋地域は販売価格が低下したが、その他地域での上昇により、相殺された。
 ポリウレタン事業の売上高は1割増となったが、主として販売量が増加したことと、北米地域を除く全ての地域で価格が上昇したことによる。高機能性樹脂(ポリカーボネート)事業は、好調だった前年同期を10・5%下回った。これは、ポリカーボネート樹脂製品とポリカーボネートシート・半製品の両製品グループにおいて、販売量と販売価格が前年同期を下回ったため。塗料・接着剤・スペシャリティーズ事業による原材料の売上高は約3%増加し、生産管理事業(無機基礎化学品)の売上高は約5%増加した。
 バイエルは13年以降も日本市場の大きな進展を予想しており、今後5年間の17年までは年率約7%以上の成長を目指す。売上げは17年末までに約3300億円まで拡大させる計画で、約5億ユーロを開発活動に投資する。

会見するデッカーズ社長(中央)

 

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